シニア犬の肥満に注意!食事づくりのポイント


シニア犬になると運動量が減り、基礎代謝も低下するので、若い時代の食事をそのまま与えるとエネルギー量過多になり、肥満の原因に。肥満を防ぐ食事のポイントを獣医師の井本史夫(いもと・ふみお)さんにうかがった。
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個体差はありますが、1日に必要とするエネルギー量は若いときの8割くらいです。いくら食欲があるからといって同じように与えると肥満を招き、病気の原因となります。筋肉などを構成するたんぱく質、特に体内でつくりだすことができない必須アミノ酸、さまざまな生理機能に欠かせないビタミンやミネラルなどの栄養素がバランスよく含まれた低エネルギーの総合栄養食、シニア用ドッグフードに替えていきましょう。一度に替えると食べないことも多いので、少しずつ混ぜてやるなど時間をかけて切り替えるとよいでしょう。
◎肥満に気をつけよう
食欲は元気の源、ないよりあったほうがよいのですが、必要以上に食べると肥満に。シニアになってからの肥満は内臓にダメージを与え、心臓病や糖尿病などの原因になったり、体重が重くなることで関節などに負担がかかり、歩行に支障をきたすことにもなりかねません。太りすぎてしまったら適切なダイエットや適度な運動で健康体重を維持させましょう。
◎肥満になったら減量を心がける
太ったからといってやみくもに食事の量を減らすのは危険。必要な栄養まで減らすと筋肉や体温保持のための脂肪も落ち、体力を弱めてしまいます。ダイエットには、まずおやつを減らすかやめるかしましょう。ドッグフードは量を5~6%減らし、足りない分は、おからやゆで野菜など低エネルギーの材料をプラスしてかさ上げするなどの工夫を。ただし加える食品にアレルギーがないかチェックしましょう。日常的に適度な運動や散歩も忘れずにしましょう。
■ 『NHKまる得マガジン シニア犬のケアと介護』より