栄養豊富なにらでスタミナチャージ


“スタミナ野菜“のイメージがあるにらは、実際にとても栄養豊富。そろそろ夏支度を始める体に、ピシッと喝を入れてくれること請け合いです。医学博士で管理栄養士の本多京子(ほんだ・きょうこ)さんが、にらの含む栄養素について解説します。
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スタミナ野菜のイメージどおり、栄養豊富。油と一緒に
にらは栄養豊富で、古くは薬草として利用されてきた野菜です。スタミナ野菜のイメージがありますが、それは豊富に含まれる香り成分のおかげ。にんにくやたまねぎと同様、硫化アリル類が豊富で、切ることによって酵素が働き、成分の一部がアリシンという香り成分に変化します。
アリシンは、糖質のエネルギー代謝に関わるビタミンB1の作用効率をアップする成分です。ビタミンB1 を多く含む豚肉やレバーなどとの組み合わせが有効なので、レバニラ炒めやギョ=ザなどの料理は、疲労回復に役立ちます。また、この香り成分には、殺菌作用や、血流をよくして体を温める作用もあります。
β – カロテンが多く、ビタミンC、ビタミンE を同時に含み、抗酸化作用が期待できるのも、にらのおすすめポイントです。β – カロテン、ビタミンE は脂溶性で、油脂や脂質を多く含む食材と一緒に調理することで、吸収率がアップします。葉酸やビタミンK、カリウム、食物繊維なども多く含まれています。
旬のにらは茎の部分が太くてみずみずしく、甘みが強いので、根元も切り落とさず使いましょう。
にらの仲間に黄色い「黄にら」があります。柔らかくて食べやすいのですが、ピタミン類の含有量は低めです。
■『NHK趣味どきっ! カラダ喜ぶ 春ベジらいふ 』より