暮らし

ふろしきは心を豊かにしてくれる魔法の布


2014.03.08

撮影:中野博安

「ふろしきと出合い、私はとても心豊かになりました」と語るのは、「京都 和文化研究所 むす美」アートディレクターの山田悦子(やまだ・えつこ)さん。講演やメディア出演を通じて、ふろしきの魅力を広く知らせる活動を行っている山田さんに、ふろしきの良さを教えていただきました。

 

*  *  *

 

ふろしきと出合い、私はとても心豊かになりました。なぜなら、そこには先人たちの知恵や心が詰まっていると知ったからです。古いと思われがちなふろしきですが、決して過去の物ではなく、現代のライフスタイルにもいきいきと柔軟に適応し、私たちの心に潤いを与えてくれます。使えば使うほどに、ふろしきは“魔法の布”だな、と魅力を実感する日々です。自分なりの工夫を楽しむ、日本の良さに気づく、人や物を思う気持ちが育つ、家族や周りの人とのコミュニケーションが生まれるなど、喜びにつながることばかりです。この機会を通して多くの方に、そんな喜びに触れていただければと思います。

 

「ふろしきは、難しそう」「どう使っていいかわからない」という声を聞くことがありますが、1000年を超える昔からあまねく人々の暮らしに寄り添ってきた布ですから、難しく考えず、まずは手に取ってみましょう。「使ってみたい!」と思う気持ちがあれば十分です。

 

敷く、掛ける、包む、覆うことは、すぐにでもできますね。そこに基本の結び方「真結び」と「一つ結び 」をマスターするだけで、運ぶ、贈る、装う……と使いみちは想像以上に広がります。まさにふろしきは一布多用、変幻自在に使い手の目的に合わせた役割を何通りもこなせる“魔法の布”となるのです。

 

欧米のバッグや洋服は物や体を“入れる”文化ですが、日本のふろしきや着物は“包む”文化です。“包む”には融通性があり、ほどいてたためばコンパクトになるという特性もあります。また「包」の文字は、お母さんが赤ちゃんを宿した形、大切な物を守る姿を表していて、日本人が大切にしてきた心の文化がここにも潜んでいます。ふろしきも中身を大切に守り、届ける相手を大切に思うからこそ使い続けられてきた、暮らしの道具なのです。

 

高度成長期以降、私たちの衣食住は、大量生産・消費優先の使い捨てが当たり前になってしまいました。そんな今、豊かさとは何かを追い続ける私たちに見えてきたのは、“物”ではなく“心”ある生活なのではないかと思います。

 

■『NHKまる得マガジン エコでおしゃれ! 初めてのふろしき活用法』より

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