趣味

ラン界のレジェンド×新進気鋭の旗手 ランの魅力を語る


2022.01.13

左/清水柾孝さん、右/遊川知久さん。「ここの着生ランはつけっぱなし。20年そのままにしているものもあります。植物園は100点ではなく70点の栽培でちょうどいいんです」(遊川さん) 撮影:田中雅也

ギフトやセレブの趣味のイメージが強かったラン。最近は手ごろな価格でカジュアルなランが入手できるようになり、ラン展に足を運ぶ若い人たちもふえています。ランの魅力とは? これからのランは? 筑波実験植物園研究員の遊川知久(ゆかわ・ともひさ)さんと、ラン栽培家の清水柾孝(しみず・まさたか)さんに、愛してやまないランについて、本音トークしていただきました。

 

*  *  *

 

ラン展を訪れる20~40代がふえている

 

—— 冬はラン展の季節。来られる方に変化はありますか?

 

清水 ここ2~3年で20~40代の来場者がふえています。SNSなどで発信や交流をされて、ラン展会場で出会って楽しむという流れです。展示で見たランがその場で購入できて、すぐにチャレンジできるのも楽しみの一つだと思います。

 

遊川 うちのラン展は今も年齢層が高いですね。親子連れも来られますがメインではないです。

 

清水 でも筑波実験植物園に行きたい人は若い人にも非常に多いと思います。植物好きの聖地みたいなところですから。中学生のときから、つくば蘭展には欠かさず来ていました。

 

遊川 清水さんがラン少年だったころから知っています(笑)。うちのラン展はほかのラン展と少し違っていて、ランを通じていろいろな生きものの暮らし方のおもしろさとか、地球の環境をよくしていくための生物多様性の大切さを感じてもらうとか、そういうところに重点を置いています。

 

1種ごとにみな性質が違うからおもしろい!

 

遊川 ランの魅力は多様性が無限だということですね。原種だけでも2万8000種ありますから。

 

清水 私が子どものころは2万ちょっとといわれていました。

 

遊川 年に500以上は新種が見つかっていると思います。若いころ1日1種違うランを見てやろうと思ったことがあって。80年がんばれば達成できる計算でしたがすぐ挫折して。そういう野心をもたせるおもしろさは、ほかの植物にはないですね。さらに交配種を入れれば、もっといろいろなおもしろさがある。1種ずつみな性質が違うわけですよ。例えばカトレアのよく似た種でも、開花期、香り、生育のサイクルも違う。そこにおもしろさが無限にあるわけね。生態や性質の違うわけを想像するだけでもおもしろい。「わかラン」がいっぱいあるんです。

 

清水 多様性をおもしろがることはよいと思います。カトレアの春咲きばかり持っていたら年1回春しか咲かないけど、夏も秋も冬も咲くカトレアはありますから、それをそろえれば一年中カトレアの花が見られるわけです。交配種も合わせればさらに花色のバラエティもふえてきます。

 

—— 清水さんはランのどこに惹かれますか。

 

清水 私は種類が豊富なところですね。2万8000種もあれば見た目も色もみんな違いますし、新種もどんどん発見されて見たくなりますし、育てたくなる。育種もしているので、この母親と父親からこういうのが咲くだろうと思っていても、子どもたちは全然違う顔をしているとか、予想をくつがえしてくれるのがランのおもしろいところです。

 

—— 何歳からランを育てているのですか?

 

清水 9歳からです。ランを育てる前から祖父母の影響で球根、食虫植物、サツキ盆栽、山野草、いろいろな植物に手を出していました。祖父に地元のラン展に連れていってもらって、パフィオペディラムのリップが食虫植物のウツボカズラに似ていると思って買ってもらったのがきっかけです。そこからのめり込んで抜けられなくなりました。

 

遊川 私は5歳か6歳のとき、植木市でウエハースのような香りがする白い花が垂れ下がったデンドロキラムにものすごく驚きランに興味をもちました。そのころから、ランのことを考えない日は1日もないです。

 

※続きはテキストでお楽しみください。

 

■『NHK趣味の園芸』2022年1月号より

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