趣味

深浦康市NHK杯と屋敷伸之九段、同学年同士の対決


2021.04.19

左/深浦康市NHK杯、右/屋敷伸之九段 撮影:河井邦彦

第70回NHK杯3回戦第7局には、深浦康市(ふかうら・こういち)NHK杯選手権者が登場。同学年である屋敷伸之(やしき・のぶゆき)九段の挑戦を受けた。高野悟志さんの観戦記から、序盤の展開を紹介する。

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*  *  *

 

早くも動く

 

30年ほど前、初めて棋士にサインをもらった。都内で開かれた小中高生を対象とした大会会場。小学生だった私は、廊下ですれ違ったゲスト棋士に手帳を差し出したのである。その棋士は、高校生の部に出場している選手とほとんど変わらない年齢だった。スーツにネクタイという服装じゃなかったら、史上最年少でタイトルを獲得したばかりのスターだと気づく人も少なかったと思う。周りを囲む子どもたちの求めに笑顔で応じ、私にも「高野悟志君へ棋聖屋敷伸之」と丁寧に書いてくれた。とてもうれしかったが、その手帳はいつの間にかなくしてしまった。惜しいことをしたものである。そんなことを思い出しながらNHKへ向かった。

 

対するは連覇を目指す深浦。互いにタイトル3期の実績を持つ同学年対決は、見どころ満載の熱戦になった。戦型は矢倉に。屋敷は2枚の銀を繰り出して急戦を目指す。矢倉での急戦策は近年増えているが、屋敷はそのはるか前からこの作戦を得意にしている。そして△7五歩と早くも動いた。

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テンポよく進む

 

ふだん、自宅でNHK杯を視聴していると、対局前のインタビューで時間配分の大切さに触れる棋士が多い。本局の二人もそうだった。

 

いつも思うのだが、考慮時間を使うかどうか考えることに考慮時間を使ってしまうなんてケースはないのだろうか。おそらくないのだろう。

 

盤上はテンポよく進んだ。後手が銀を五段目に進めたのに対し、先手は2図から▲6五歩と突き、▲7六歩で銀交換を催促。

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そして▲4六歩から▲4五歩と伸ばして△3三銀(3図)と後退させた。角筋を生かした指し回しである。

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積極的な攻め

 

深浦は、2018年10月から『将棋フォーカス』で講座を担当した。その際、私は本誌の執筆を手伝わせていただいた。打ち合わせで深浦が用意するメモは細かく、アマ初段前後を対象としているのに最新の研究も盛り込んでいて、とても勉強になった。

 

それらの情報が世に出る前にネット将棋で試したら、面白いように勝てたのはここだけの話である。

 

深浦は3図から▲5五歩と突き、△同歩に▲5四歩と垂らした。そして▲5五角と出て▲5三銀と打ち込み、積極的に攻めていく。

 

※投了までの棋譜と観戦記はテキストに掲載しています。

※肩書はテキスト掲載当時のものです。

 

■『NHK将棋講座』2021年3月号より

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