趣味

最年長vs.最年少タイトル保持者同士の戦い 担当記者だけが見た舞台裏


2021.02.03

木村一基王位に藤井聡太棋聖が挑戦した第61期王位戦七番勝負。結果は藤井棋聖が4連勝で王位を獲得、史上最年少で二冠となった。最年長と最年少のタイトル保持者同士の戦いに日本中が注目した令和2年の熱い夏。全4局に同行した担当記者だけが見たエピソードをもとに、両対局者の棋士像に迫る筋書きのないドラマをご堪能ください。

 

文・写真/新聞三社連合・森本孝高

 

*  *  *

 

勝負師たちの粋な心遣い

 

第61期王位戦七番勝負は、藤井聡太七段(対局者の肩書は、いずれも当時)が挑戦者として名乗りを上げた瞬間から、注目度の高いシリーズになるのは明らかだった。

 

昨年、新聞三社連合に入社し王位戦の担当記者になったばかりの私は、こんな大勝負を運営した経験がないので戸惑うばかり。そんなとき木村一基王位にはその立ち居振る舞いから、タイトル戦とは、また勝負とは何かを教えてもらった気がしている。藤井は当然こちらがしなくてはいけないといった程度の心遣いをニコニコとよろこんで受け入れてくれて、そのひとつひとつがうれしかった。

 

挑戦手合は同じ対局者と何度も対戦するため、展開によっては勝敗が色濃く出てしまうこともあるからこそ、見る者の心が震える。だがこの七番勝負には、対局者に他者を思いやる心が先にあり、そんな二人と同じ時間を過ごしていると、酷暑のなかでも爽やかな気持ちになることができた。

 

考えるのが好き

 

第1局の終局直後、木村から「藤井さんは手広いところで考えることが好きなんですね」としみじみ声をかけられた。初めての2日制、そして8時間の持ち時間であっても、すでに何度も体験しているかのように藤井は落ち着きはらっていた。難解な局面でこんこんと読みふけりながら、前のめりになって目を開き盤上を見つめている藤井の姿は、楽しそうというしかない雰囲気だった。

 

帰りの新幹線で藤井と雑談をした際に「対局中、前のめりになりながらも、なんだか楽しそうでした。手を読むのが好きなんですね」と話しかけると、藤井はただ笑っているだけだった。明確に答えたわけではないが、本当に将棋のことを考えるのが好きなんです、と言っているかのようにニコニコしていた。

 

※続きはテキストでお楽しみください。

 

■『NHK将棋講座』2021年1月号より

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