趣味

まるでラピュタ! サトイモの知られざる姿に感動


2020.12.19

サトイモの知られざる姿に感動。「まさか私がサトイモの写真を撮るなんてね」とスマホを取り出す学生も 撮影:渡辺七奈

菜園ビギナーの女子大生が、化学肥料と農薬を使わないオーガニックな野菜作りに挑戦する連載「週1から始めるオーガニック」。第5回では、大豊作となったサトイモ収穫の様子をお届けします。

 

*  *  *

 

「これってラピュタ!?」

 

農場はすっかり秋。林の木々は色づき、コオロギがやさしく鳴いています。今日は待ちに待ったサトイモの収穫。タネイモを植えつけたのは半年前の5月半ば。梅雨明け前に株元を除草し、そこに草マルチをたっぷり敷いただけで、追肥も水やりもしていません。畑の力だけで、どれほどのイモがとれるでしょう。

 

夏には朝露を転がしていた大きな葉も、もうぼろぼろ。学生たちはその葉を切り倒し、残った葉柄(ようへい)のまわりにスコップをさしました。誰もが初体験のサトイモ掘り。掘り上げた先から、驚きの声が上がります。「何これ? ラピュタ!?」。親イモの周囲に子イモ、さらに孫イモがつき、ぶらぶらと太い根を生やしたその物体は、天空へ昇るあの城にそっくり。

 

「サトイモってこんなふうになるの!?」「サトイモに根が生えてるなんて、市販の水煮のイモじゃ考えたこともなかった」。大喜びでイモをとり始めると、その大きさと数の多さに、再び仰天です。

 

「みんながしっかり草マルチを敷いたおかげで大豊作ね!」。指導教員の澤登早苗(さわのぼり・さなえ)さんもうれしそう。

 

「サトイモの生育は、夏の乾燥対策で決まります。草マルチをたっぷり敷いて土が乾くのを防ぐだけで、おいしいサトイモがこんなに収穫できるんですよ」

 

澤登さんは学生たちの変化にも気づいていました。虫嫌いだったはずなのに、土から出てくるさまざまな虫に、誰も悲鳴を上げません。追肥なしでも立派なイモができたのは、この虫たちが土を肥やしたおかげだと、もう理解しているのでしょう。なかには、「せっかく子孫を残そうと思っているのに、収穫されちゃうのね」とつぶやく子までいます。食材ではなく「命」としてサトイモを見ている学生に、澤登さんは目を細めました。「そのとおり。私たちは命をいただいて生きているの」。

 

役目を終えたサトイモの葉や根は、そのまま畑に残されました。冬の間にゆっくりと分解され、再び土を肥やすのです。

 

■『NHK趣味の園芸 やさいの時間』連載「週1から始めるオーガニック」2020年12月・2021年1月号より

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