宮崎六段、結城NHK杯も登場 – 囲碁で復興支援 in いわき


東北の皆さんに癒やしや笑顔をお届けする「NHK公開復興サポート 明日へ in いわき」が、5月25日にいわき明星大学(福島県いわき市)で開催された。第1回が昨年1月に福島市で行われ、仙台市、大船渡市、石巻市に続き5回目となった今回は、「囲碁フォーカス」の公開収録が行われた。
イベントには「囲碁フォーカス」の司会を務める宮崎龍太郎(みやざき・りゅうたろう)六段、戸島花(とじま・はな)さんのほか、武宮正樹(たけみや・まさき)九段、結城聡(ゆうき・さとる)NHK杯選手権者、井澤秋乃(いざわ・あきの)四段がゲストとして登場。会場には、宮崎六段の大ファンという小学生3人組からアマチュア6段の大ベテランまで、事前に応募のあった囲碁ファンの方々が、福島県はもちろん近郊の他県からも参加された。
会場となった講義室は、ステージから観客席までの距離が2メートルもなく臨場感たっぷり。宮崎六段と戸島さんによる囲碁講座のほか、棋士による公開座談会、プロ・アマ混合の連碁が行われた。
震災の前から福島市を中心に会津若松市、郡山市、いわき市などで囲碁の普及活動を行っている福島県出身の宮崎六段は、「皆さんに少しでも元気になってもらいたいという思いで通っていますが、毎回、私のほうが励まされて…」と目を潤ませた。
野球好きで知られる結城NHK杯は、十数年前にいわき市を訪れたことがあり、日帰りだったのにもかかわらずなぜかプロ野球観戦をした思い出があるらしい。今回のイベントの2日前には、プロ野球の公式戦で始球式の大役を果たしたそうだ。「NHK杯3連覇の記念として招待されました。これ以上ない幸せでした」と終始笑顔の結城NHK杯は、連碁の解説で、武宮九段さえもあっと驚かせる読み筋を披露し、観客を沸かせていた。
集まった囲碁ファンの皆さんは、4時間という長丁場にもかかわらず、ほとんどの方が最後までイベントに残ってくださり、囲碁を堪能された様子だった。
復興はまだ始まったばかりだが、皆さんが笑い合えるひとときが、囲碁を通して少しでも増えていくことを心から願いたい。
■『NHK囲碁講座』2014年8月号より