白内障 年齢のせい?


「物がぼやける」「まぶしく感じる」など、さまざまな症状が現れる「白内障」。主な原因としては加齢が挙げられるが、若い世代での発症も増えている。東京慈恵会医科大学 教授の常岡 寛(つねおか・ひろし)さんに、白内障について詳しく聞いた。
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白内障
「白内障」とは、目の中でレンズの役割を果たす「水晶体」が白く濁る病気です。水晶体が濁ると、外からの光が目の中へ十分に入らなくなるので、物が見えにくくなります。
白内障は、加齢に伴って起こりやすい病気です。患者数は、50歳代くらいから増え始め、80歳代では、大部分の人が白内障を発症していると考えられています。白内障は、若い人にも起こります。最近では、20歳代や30歳代でも発症することが注目されています。
白内障の主な症状には、「物がぼやける」「まぶしく感じる」「薄暗い場所で文字や絵が見えにくい」「左右の目で明るさが異なって見える」「片側の目で見ると、物が二重や三重に見える」などがあります。
症状が多彩であるため、高齢者は白内障と気付かずに、年齢や目の疲れのせいと考えて、放置していることがあります。そのため、白内障が進行し、状態がかなり悪化してから見つかる場合があります。一方、若い年代で発症した場合は、白内障が急激に進行して見えにくくなるため、比較的早く気付くことが多いと言われています。
白内障の原因
白内障の主な原因には、次のようなものがあります。
◆加齢
程度に差はありますが、誰でも加齢とともに水晶体が白く濁ってきます。このような加齢による白内障を「加齢性白内障」と言い、白内障の大部分がこれに当たります。水晶体は、構造が「卵」とよく似ています。水晶体の前方には「前囊(ぜんのう)」、後方には「後囊(こうのう)」という組織があり、これらは卵の殻に相当します。前囊と後囊の内部には、白身のような軟らかい「皮質」と、黄身のような硬い「核」があります。白内障では、水晶体の前囊と後囊はあまり変化しませんが、その中の皮質と核が白く濁ってきます。
皮質には、水に溶けやすい「水溶性たんぱく質」が多く含まれていますが、加齢に伴って水に溶けにくい「不溶性たんぱく質」に変わってくるため、濁りが生じてきます。一方、核は、加齢で古くなった皮質が水晶体の中央に集まることで形成される組織で、年を重ねるごとに大きく硬くなると、やがて濁るようになってきます。
◆アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎が原因で起こる白内障を「アトピー性白内障」と言い、特に若い人に見られます。詳しいことはわかっていませんが、アトピー性皮膚炎があると、かゆみのために目をたたくことがあり、それも原因の1つではないかと考えられています。
アトピー性白内障は、重症のアトピー性皮膚炎の患者さんの約1割に発症し、特に顔や目の周りに皮膚症状が強い場合に起こりやすいと言われています。
◆目の外傷やステロイド薬など
生まれつき白内障がある場合や、目の外傷によって白内障が起こることがあります。また、ステロイド薬の内服薬を長期にわたって使うことが原因になることもあります。
■『NHKきょうの健康』2013年10月号より