健康

関節の寿命を延ばす「簡単トレ」ってどんなもの?


2021.04.05

「簡単トレ」は37歳以上のすべての年代におすすめです! イラスト:加納徳博

日本人の平均寿命は延び続け、いまや「人生100年時代」といわれます。しかし、喜んでばかりはいられません。年齢を重ねて体のあちこちに痛みが出てきたら、思うように体を動かせず、場合によっては歩くのも困難になります。せっかく長生きしても、運動機能が損なわれてしまうと、人生後半を存分に楽しめないかもしれないのです。

 

そこで、整形外科(足の外科)・スポーツ医学がご専門の医学博士・橋本健史(はしもと・たけし)さんは「簡単トレ」を提案します。「簡単トレ」とはどのようなものなのでしょうか。

 

*  *  *

 

37歳以上のすべての年代におすすめ!

 

人間の体は、生物学的にみれば、50歳より前に寿命を迎えるという説があります。私の臨床医としての実感では、30代後半が、病気やけがが増えるターニングポイントです。そのため、37歳くらいを体本来の寿命と考え、その年代から機能保持のためのトレーニングを始めることをおすすめしたいのです。30代はまだ若いと思っていても、加齢による衰えは、気づかないうちに始まっているのですから。

 

とはいえ、50 ~ 60代、いや80代の人でも、簡単トレを始めるのに遅すぎることはありません。どの年代の方でも、トレーニングで今の体の機能を保持できます。そして簡単トレは、一般的な筋トレや体操よりも、体に負担をかける心配がありません。だから、何歳の方にもおすすめできるのです。

 

関節を守り、軟骨を元気にする!

 

関節の骨と骨の継ぎ目には「軟骨(なんこつ)」があり、さまざまな衝撃を吸収してくれています。しかし、年齢とともに軟骨がすり減ってくると、骨同士がぶつかって変形したり、軟骨自体が関節から飛び出したりします。それが神経を刺激するため、高齢になると関節が痛くなるのです。

 

筋肉には血管が張り巡らされていますが、軟骨には血管が1本もありません。軟骨に栄養を届けるのは、関節内を満たす「滑液(かつえき/関節液とも)」です。簡単トレでは、滑液を軟骨にしみこませるため、関節をゆっくり動かします。また、関節に負荷をかけないように、曲げる角度を制限します。簡単トレは、一生歩ける体のために、関節の寿命を延ばすトレーニングなのです。

 

いくつになっても筋力アップ!

 

一生歩ける体と健康な関節をキープするためには、ある程度筋力も必要です。筋力があれば、関節にかかる負荷を軽くし、軟骨の寿命を延ばすこともできます。

 

とはいえ、普通の筋トレはハードすぎて、続けるのが難しかったり、けがをしやすかったりもします。そこでおすすめするのが、簡単トレ。簡単トレなら、無理なく安全に筋肉を鍛えられ、血液循環をよくすることができます。血液循環がよくなれば、筋肉と、筋肉を骨につなぐ「腱(けん)」に栄養と酸素が行き渡り、細胞が活性化します。

 

最近の研究では、筋肉は何歳になっても増やせることがわかっています。「もう年だから」とあきらめず、必要な筋肉を楽に鍛えられる簡単トレを始めましょう。

 

■『NHKまる得マガジン 未来の痛みにさようなら 37歳越えたら関節の寿命を延ばす簡単トレ』より

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