健康

繰り返す下痢・便秘・腹痛……過敏性腸症候群かも?


2014.06.20

イラスト:渡部淳士

繰り返す下痢や便秘、腹痛によって、仕事や勉強などに支障が出て困る……それは過敏性腸症候群の可能性がある。どのような病気なのか、島根大学 教授の木下芳一(きのした・よしかず)さんにうかがった。

*  *  *

過敏性腸症候群とは

過敏性腸症候群は、原因の心当たりがなく、検査をしても異常が見つからないのに、下痢や便秘、腹痛を繰り返す病気です。

命に関わる病気ではありませんが、仕事や勉強など、社会生活に支障が出て、人知れず悩んでいる人が多くいます。

■症状
傷んだものを食べて下痢をしたり、旅先で環境が変わって便秘になるといったことは、誰にでも起こります。しかしこの病気では、下痢や便秘が、慢性的に繰り返して起きます。その際、腹痛や腹部の不快感を伴います。また、ストレスや不安・緊張など、精神的に負担がかかる状況で症状が悪化するのも、大きな特徴の一つです。

過敏性腸症候群では、これらの症状によって、社会生活に問題を生じてしまうことがあります。例えば、通勤電車の中で下痢になることがよくあるため、いつでもトイレに行けるように各駅停車にしか乗れなくなったり、たびたび遅刻をする人もいます。

症状が便秘の場合には、腹部に常に不快感があるため、仕事中にたびたびトイレに立ち、仕事に集中できないといったことも起きます。

特に下痢の場合は、外出先のトイレの場所をあらかじめ確認しておいたり、もしもの場合に備えて下着を常備するなど、精神的な負担も大きくなります。

■症状のタイプ
過敏性腸症候群には、下痢型と便秘型、下痢と便秘が交互に起きる混合型があります。

下痢型は若い男性によく見られます。便秘型は女性に多く、特に年配の女性によく見られます。タイプに男女差があるのは、腸の働きに性ホルモンが関係しているためではないかと、考えられています。

ただ、同じタイプがずっと続くとは限らず、下痢型が混合型に変わったり、混合型から下痢型に移行するなど、タイプが変わることもあります。

■病気だと気付かない人も多い
正確なデータはありませんが、一般的に、過敏性腸症候群の患者さんは、日本の人口の10%前後いるといわれています。しかし、下痢や便秘は健康な人でもよく起こる症状だけに、自分の病気に気付かない人も少なくありません。多くの人が“体質だろう”と諦めたり、市販薬で対処していると思われます。

下図の過敏性腸症候群の診断基準で、セルフチェックを行ってみてください。もし当てはまるようなら、一度消化器内科を受診するとよいでしょう。なお、チェック1は、医療現場で必ずしも厳密に捉えられているわけではありません。

回数にこだわらず、症状に困ったら受診するようにしましょう。

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★(図)過敏性腸症候群のセルフチェック

■『NHKきょうの健康』2014年6月号より

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