教養

「永遠の刹那」と呼ばれる柿沼康二さんの書


2013.09.23

力強く書かれた「不沈」の二文字。撮影:野瀬勝一

書家・アーティストの柿沼康二(かきぬま・こうじ)さんは東京学芸大学で書を学び、卒業後は教職に就き書を教えていました。しかし、「書を舐(な)めるな。人に教えている暇があったら自分の勉強をせい!」という師の言葉を受け、教職を辞してアーティストの道を選んだと言います。

 

「人に教えるのはティーチャーであり、アーティストとは己の作品だけで生きていく者のことを言う。そんな私が求め続けるのは、“上品なアヴァンギャルド”。それは、古典に立脚し、嘘偽りなく、今を生き生きと表現する書を意味する」

 

そう語る柿沼さんの大作「不沈」をご紹介します。

 

*    *    *

 

右上の写真は、2012年2月に茨城県水戸市で行われたチャリティー・イベント「東日本大震災復興美術展覧会“飛翔”」において、柿沼さんが揮毫(きごう)した大字書です。このテキストの表紙の写真も、その際のものです。

 

縦4m、横10mの巨大な布に書かれた「不沈」の二文字。この大字書に、柿沼さんは被災地の1日も早い復興を願う思いを込めました。柿沼さんの大字書は、海外では「エターナル・ナウ(永遠の刹那)」と形容されています。

 

墨を含んだ大筆は、60㎏ほどにもなります。書き終えた後の心身の疲労は激しく、やり直しのきくようなものではありませんから、事前に十分にイメージを練りあげる必要があります。右上の2番めの写真がまさにその瞬間、「空書(くうしょ)」を行っているところです。書く前に十分に案を練り上げることが、大字書においてはとりわけ重要なのです。

 

 

■『NHK趣味Do楽 柿沼康二 オレ流 書の冒険』より

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