教養

お地蔵さんと六道輪廻の知られざる関係


2013.04.27

生きとし生けるものが天道、人間道、修羅道、畜生道、餓鬼道、地獄道という六つの世界(六道)を輪廻するという「六道輪廻(ろくどうりんね)」。この六道には、「お地蔵さん」として各地で親しまれている「地蔵菩薩」が悩み苦しむ者を救うために存在しているのだという。東京藝術大学大学院教授(文化財保存学)の籔内佐斗司(やぶうち・さとし)さんが、六道輪廻思想と地蔵菩薩について解説する。

 

*  *  *

 

中央アジアに定着した仏教には、阿修羅(あしゅら)をはじめとするゾロアスター教の神々も取り入れられていました。ところが5〜6世紀ごろ、仏教徒とゾロアスター教徒との対立が起こります。このため、ゾロアスター教由来の阿修羅や夜叉(やしゃ)神の類は、仏教において人間以下の存在に降格されてしまいました。このころから、いのちあるものは天道、人間道、修羅道、畜生道、餓鬼道、地獄道という六つの世界(六道)を輪廻すると考えられるようになったのです。それぞれに迷いのある六道から抜け出して初めて、ほとけの世界に往生できるのです。

 

日本の各地で「お地蔵さん」として親しまれている地蔵菩薩が、この六道輪廻に深い関わりをもっていることをご存じでしょうか。

 

地蔵菩薩は、お釈迦さまが入滅したあと、弥勒菩薩が仏陀となるまでの間、人々を救うという菩薩。「地蔵」の名のとおり、もともとは古代インドの大地の神が起源といわれます。王子だった時代のお釈迦さまのお姿を映したはずの菩薩でありながら、唯一、結髪や冠など装飾のない僧形(そうぎょう)に造られ、子どもなど、衆生のなかで弱い者から先に救いをもたらす存在として人々に篤(あつ)く信仰されてきました。

 

■『NHK趣味Do楽 籔内佐斗司流 仏像拝観手引 日本列島巡礼編』より

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