料理

料理研究家ならではの”防災”は「むだなく、無理なく」が合い言葉


2021.03.12

左/枝元なほみさん、右/市瀬悦子さん 撮影・木村 拓(東京料理写真)

2011年3月11日。あの日から10年がたとうとしています。東日本大震災以降、被災者に寄り添い続ける枝元なほみさんと、枝元さんのアシスタントを経て、同じ気持ちを共有している市瀬悦子さん。「いざ」というときにこそ強く生き抜く知恵を、非日常(もしも)と日常(いつも)の境目があいまいになりつつある今、改めて考えてみませんか?

 

*  *  *

 

私たちらしい“防災”はむだなく、無理なくが合言葉!

 

──東日本大震災から10年の今年。枝元さんと市瀬さんは“防災”について、今どのように考え、対策していますか?

 

枝元:10年がたつなんて信じられないね。あのとき、“にこまるプロジェクト”を始めて、被災地に通ってから、もう10年? まだ10年って。

 

市瀬:あのときは都内でもスーパーの棚が空になって、みなさん防災食や防災グッズの見直しなどしていましたけ

ど、10年たって今はどうでしょうか。

 

枝元:そこだよね。防災セット一式を買って安心して、10年ほったらかしで賞味期限切れ……なんてなりがちかもしれないもの。

 

市瀬:防災食といえば、うちは乾パンくらいです。仕事柄いつでも食材があふれている家だから“いざというときのため”という意識ではないんですよね。カセットコンロも同様に料理撮影の必需品なので、日々使っているし、カセットボンベも常に買い置きがあります。こうやって、いつも使うものなら目も行き届くんですよね。

 

枝元:いつも家にあるもので、いざというときにどう生き延びるか。それが大切かも。「電気が止まって、米と水はある。カセットコンロもあるけれど、炊飯器がないとご飯が炊けない!」なんてことになったら、悲しいものね。ご飯は鍋でも、それこそフライパンでも炊けるわけで、その方法を知っていることが命をつなぐかもしれない。災害のために備えることは大切だけれど、もっと大切なのは生き抜く知恵を日ごろから磨くことじゃないかな。

 

市瀬:この10年の間には異常気象による災害、コロナ禍による混乱など、地震以外の非常事態も経験してきて。そんな今だからこそ、“日常”と“いざ”が隣り合わせだと、みんな痛感しています。しかも、“いざ”にはいろいろなパターンがある。だから、しゃくし定規で考えるよりも、ねこさん(枝元さん)の言うように対応力を身につけたいですよね。

 

枝元:毎日献立を考えて、むだを出さないように料理するだけでも“食の地頭力”は養われていくと思うの。それが日々の健康にも、非常時の命にもつながるんじゃないかな。今回提案するレシピもおいしく食べて、ちょっと考えてもらえたらうれしいって思います。

 

※テキストでは、缶詰や乾パンなどの保存食を使った防災レシピを紹介しています。

 

■『NHKきょうの料理』2021年3月号より

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