料理

和食料理店店主 中東篤志さんの思い出の卵料理


2021.03.29

中東さんが初めてつくった卵料理「のりいり卵焼き丼」。自身で考案した第1作目のレシピです。のりとバターの組み合わせが肝で、くせになる味わいです。撮影:佐伯慎亮

料理人一家に生まれ育った中東篤志(なかひがし・あつし)さん。父・久雄さんは、四季を通じて野にある食材を摘んで料理をつくり、国内外の美食家たちをうならせています。その父の下で12歳から料理を学び、渡ったアメリカで和食のすばらしさに目覚め、日本食のイベントや飲食店のプロデュースをするようになります。

 

2019年に店を開き、父譲りのこだわりで自分が納得する食材を選び、素材を生かす料理をつくり始めました。興味深いのは、店を居酒屋以上割烹(かっぽう)未満の居心地のいいスタイルにしたこと。思いは「多くの人が気軽に立ち寄れる、新たな和食の楽しみを発信する場」。こうして京都とアメリカを行き来する、多忙な日を過ごすようになったのです。

 

「2歳になるまでに“卵を割る”。中東家のカリキュラムにあるんです」

 

中東さんには、子どものころから卵に並々ならぬ思いがあると言います。記憶に残る卵料理は、幼稚園のときに初めてつくった“のりいり卵焼き丼”と、子どもながらにおいしいと思った父の“だし巻き卵”。この卵焼きが自分でつくれるようになったのは、母・仁子(きみこ)さんが子どもたちに課したカリキュラムと呼ばれる“2歳までに卵を割る”という指導のおかげです。ほかの課題もユニーク。

 

・小学校に入ったらいかをさばく

・小学校4年生で自転車で父の実家(市街地から車で2時間)まで行く

 

2人の兄同様、中東さんももちろん達成しています。これらの課題はすべて生きるすべが身につく内容。「私が楽をするため」と言う仁子さんは、「器だったら割れたら大ごとですが、卵は食べればいいじゃない」とおおらかです。学歴社会の中、個々の得意分野を伸ばすのは、なまはんかな気持ちでは難しい。

 

「今でも覚えていますが、宿題がわからないって言ったら、『勉強はできる子にまかせとき〜』って(笑)」と中東さん。

 

息子の醍紀くんも卵割りは2歳までにマスター。中東さんが料理をつくり始めると、鍋をのぞきに来たり、簡単な手伝いをしたりするまでになりました。「自分の料理を食べる息子を見るのが、最近の楽しみです」。つくって食べて育つ。卵がつなぐ家族の絆は、永遠に続きます。

 

※つくり方はテキストに掲載しています。

 

■『NHK趣味どきっ!シェフの休日 おいしいごはんと暮らしのレシピ』より

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