料理

菌の働きに注目! 酒かすの健康パワー


2014.12.27

ねぎの酒かすポタージュ 撮影:吉田篤史

寒さが増し、年の瀬が近づいてくると、新酒の季節です。搾りたての日本酒も格別のおいしさですが、副産物である酒かすも忘れてはいけません! 酒や酒かすをつくる菌の働きについて、東京農業大学応用生物科学部醸造科学科准教授の前橋健二(まえはし・けんじ)さんにお話を聞きました。

 

*  *  *

 

日本酒の製造過程で生まれる酒かすは、おいしいだけでなく健康効果からも、近年再注目される食材です。

 

酒づくりにかかわる菌は、国菌(こくきん)とも呼ばれる日本を代表する菌・こうじ菌(コウジカビ)や酵母菌。米こうじ(こうじ菌を米に繁殖させたもの)と、「酒母(もと)」と呼ばれる酵母を培養したもの(こうじや蒸し米、水に酵母を加える)に蒸し米、水を加えて発酵を進めると、かゆ状の液体の中で、こうじに含まれる酵素が米のでんぷんを分解して糖をつくる働きと、こうじがつくった糖を養分として酵母菌が活動し、アルコール分と芳香成分をつくる働きが並行して進みます。こうしてできたものが「もろみ」と呼ばれる酒のもと。もろみを搾ってこしたものが酒となり、残った搾りかすが酒かすとなります。

 

製法からも分かるとおり、酒かすには酒をつくる過程で働いた菌や酵素、その生成物が多く含まれており、独特の芳香やうまみをもつほか、酵素の働きで肉や魚を柔らかくするなどの作用もあります。健康の面では、酵母菌は各種ビタミンを含むうえに菌体そのものにも美容効果が期待される成分。また、酒かすは水溶性と不溶性の食物繊維をともに含むことから、効果的な整腸作用が期待できるだけでなく、脂質代謝を改善する、糖質の吸収や血糖値の上昇をゆるやかにするなどの作用もあると考えられます。また、レジスタントプロテインという物質も、脂質代謝改善作用が確認されている注目の成分です。さらに、血栓溶解作用や健忘症予防への効果が期待される成分なども見つかり、酒かすの健康パワーについては、いっそうの研究が進んでいます。

 

※テキストには、料理研究家の井澤由美子(いざわ・ゆみこ)さん考案の酒かすを使った料理のレシピを掲載しています。

 

■『NHKきょうの料理』2014年12月号より

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