塊肉を揚げ、マッシュポテトを飲み下す! 豪快&超美味なお肉料理


「お肉が大好き! 野菜は、お肉を食べるための贖罪です」と断言する料理研究家のMakoこと多賀正子(たが・まさこ)さん。枝元(えだもと)なほみさんと月替わりで、「食べないほうがいいって分かっているけど、でもおいしいから食べたい……」という「禁断のレシピ」をNHKテキスト『きょうの料理』でテキストオリジナル企画として連載。この「禁断のレシピ」が待望の書籍化を果たしました。魅惑のお肉料理部門を担当した多賀さんが肉汁のようにあふれ出るお肉への愛情を語ります。
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枝元(以下枝):さあ、心ゆくまで肉への愛を語ってください(笑)。肉ずしって、おすしまでお肉ですか!?
多賀(以下多):以前、余ったゆで豚を翌日に残ったすし飯と一緒に食べてみたら、これがよく合う!じゃあ、牛肉のたたきもイケるはず、と思ってやってみたらやっぱり合う。で、今ではわが家では手巻きずしのネタにもしちゃうんです。
肉ずし(1人分1,050kcal)
枝:Makoちゃんは、子どものころからずっと肉食ですか?
多:実は両親ともに京都の人で、おばんざいに魚の干物・かす漬け・みそ漬けみたいなのが定番で、私はずっとそれらを称して「暗いおかず」って呼んじゃってたんです(笑)。
枝:暗いおかず(笑)。
多:一方で、テレビの「世界の料理ショー」「はじめ人間ギャートルズ」や「大草原の小さな家」「奥さまは魔女」などをかじりつくように見て、骨付きの大きな肉が食べたい、華やかな塊肉料理が食べたい、という欲望がどんどんふくらんでましたね。
枝:そのへんがルーツなのですね。
多:中学生になると、学校の帰りに家に電話して夕飯を確認し、「暗いおかず」だと、おこづかいで肉を買って帰り、自分で焼いて食べてました。
枝:男子じゃないんだから!!
多:その後も肉熱は上がる一方で、短大生のときには、大好きだった焼き肉食べ放題店「モリモリバンバン」でアルバイトしてました。
枝:ええ!!モリモリバンバン??(大爆笑)。普通の短大生はそんな名前のお店でバイトしませんって。
多:まかないでもいっぱいお肉が食べられたんですよ〜(うっとり)。
枝:やっぱり食欲に導かれて生きてて、ステキです。何の肉がいちばん好き?
多:豚も鶏も羊もだ〜い好きなんですけど、いちばんはやっぱり牛肉!甘みや香りはもちろん、ウニッウニッと噛み締めて、ムングッと飲み込む快感。あれは野菜や魚では絶対に味わえません。
スパイシースペアリブ(4,610kcal)
枝:年齢とともに、肉はキツくなる人も多いけど、今でも大丈夫ですか?
多:赤身だったら500gはいけます。
枝:えー!! 私は150gで十分かも。
多:私、人生で3回しか熱が出たことがなくて。かぜもひかないし、それも、肉のおかげかなと思ってます。ウフフ…。
枝:絶対そうだと思いま〜す!!
6,150kcalのフライドビーフ
牛肉こそ、肉の中の肉。
その究極の食べ方といえば、塊のまま油で揚げるというもの。お気に入りのお店で特別に教わって、Mako流にアレンジしました。表面はカリッカリに香ばしく、噛むとレアの肉汁が滴って……。肉を食べる喜びを味わうのに、これ以上の方法はありません。
付け合わせには、山盛りのマッシュポテトがお約束。キタアカリでつくれば、なめらかでのどごしのよさは抜群!「マッシュポテトは飲み物」という多賀さんの名言を、ぜひ体験してみてください。
「肉ずし」と「フライドビーフ」のつくり方は「禁断のレシピ」に掲載しています。その他にも、1コのギョーザににんにく1かけが丸ごと入った「スタミナにんにくギョーザ」、骨付き肉にかぶりつく喜びが味わえる「スパイシースペアリブ」などなど、お肉好きにはたまらないレシピが満載です。
(NHK出版・刊)
■『NHK出版 禁断のレシピ』より