冬越し緑肥はいいことずくめ! その3つの理由


2015.11.08

秋は雑草が少ないので、負けずによく育つ。春まきの場合は、除草が必要。イラスト:山村ヒデト

緑肥(りょくひ)とは、土にすき込んで肥料分としたり、有機物として土壌改善に役立てたりするための作物。なかでも明確な効果が期待でき、食用にしないものを指します。ほかにも病害虫の防除や雑草の抑制、土壌保全、景観美化など、さまざまな効果が期待できます。

 

緑肥は主に春から夏にかけて栽培する春まきと、秋から翌年の春ごろまで栽培する秋まきがありますが、明治大学特任教授の佐倉朗夫(さくら・あきお)さんは、家庭菜園では秋まきで冬越しさせる緑肥がおすすめだと言います。その理由を教えて貰いました。

 

*  *  *

 

1 冬の菜園を有効的に利用できる

 

冬は菜園に作物が少なく、緑肥を育てることで菜園を有効利用できます。雑草が少ないため、初期生育で雑草に負けることなく、よく育ちます。根粒菌によるチッ素固定効果が期待できるマメ科の緑肥を栽培すれば、それだけで土が肥沃になります。

 

2 菜園が裸地(らち)になるのを防ぐ

 

冬は乾燥や寒さで雑草もあまり生えないため、作物を栽培していない菜園の土は日光にさらされます。これは、あまりよいことではありません。紫外線に弱い土壌微生物にとっては過酷な環境です。

 

よい土は微生物の活動によって作られるので、その活動を促進するためにも、地表は常に雑草や落ち葉などで覆われていたほうがよいのです。冬の緑肥は雑草や落ち葉の代わりになって、土壌微生物を保護してくれます。緑肥が地表を覆うことで、風や雨による土壌の流出、肥料分の流失も抑えられます。

 

3 春からの野菜の生育を助けてくれる

 

ムギ類やマメ科の緑肥は、ほかの作物の発芽を抑制するアレロパシー効果が期待できます。冬の間に緑肥を栽培することで、春先に雑草が生えるのを抑えることができるのです。

 

冬の間は緑肥の茂みが天敵のすみかになり、春には野菜につく害虫の防除に役立ちます。クリムソンクローバーやカラシナのように野菜の花より早く咲く花は昆虫を呼び寄せ、作物の受粉も助けてくれます。春夏野菜を元気に育てるためにも、冬越し緑肥はおすすめなのです。

 

■『NHK趣味の園芸 やさいの時間』2015年11月号より

このエントリーをはてなブックマークに追加