暮らし

出産しないと母乳が出ないのはなぜ?


2013.03.02

バストは女性の象徴。乳房の重要な役割は、ご存じのように母乳(乳汁)を出す(分泌する)ことだが、その仕組みについては意外と知られていない。ピンクリボンブレストケアクリニック表参道院長の島田菜穂子さんが解説する。

 

*  *  *

 

乳房が活発に働き、母乳を盛んに出すようになるのは、出産後です。それ以外のときはもちろん、妊娠中に乳房が大きくなっても、母乳が出ることはありません。これはさまざまなホルモンが関連しあって、母乳をコントロールしているからです。

 

妊娠すると、通常卵巣から分泌されていたエストロゲンやプロゲステロンは、妊娠によって子宮にできた胎盤から盛んに分泌されるようになります。二つの女性ホルモンは乳腺の働きを活発にしますが、同時に脳からプロラクチン(乳汁分泌ホルモンともいう)が分泌され、腺房に母乳を作らせるように働きかけをします。しかし、妊娠している間は胎盤からの女性ホルモンがプロラクチンの働きを抑制するため、母乳の分泌にはブレーキがかけられているのです。

 

出産と同時に胎盤が剥がれ落ちて排出され、胎盤からの女性ホルモンの分泌がなくなると、プロラクチンの抑制がなくなって働き始め、母乳が出るようになります。授乳している期間はプロラクチンが排卵を抑えるため、妊娠しにくくなりますが、次第にプロラクチンの分泌が低下して母乳も出なくなると、体はまた妊娠可能な状態に戻ります。そもそも出産や授乳がなければ、乳腺の働く出番はなく、ずっとお休み状態ということになりますが、女性にとって乳房はとても大切なものです。

 

■『NHK きれいの魔法』2013年1月号より

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