暮らし

奈良伝統の麻布と蚊帳織で日常を彩る


2019.11.22

見ているだけで心地よい風が吹くのを感じられる、蚊帳織の小さな空間。ふきんで知られる蚊帳織を、好みの長さに切り分けてさまざまなシーンに取り入れている。撮影:山平敦史

ひと昔前、蚊帳といえば寝室に吊られていた夏の風物詩。でも、生活文化コーティネーターの石村由起子(いしむら・ゆきこ)さんの手にかかれば、インテリアや野点(のだて)にと、日常を彩るアイテムに変わります。奈良で暮らし、地域に伝わる伝統の織物を現代にいかすアイデアを、ご自宅に伺ってご紹介いただきました。

 

*  *  *

 

庭にしつらえた蚊帳織の空間に気の置けない仲間を招いて

 

暮らしの道具の中で、特に布はよく使うという石村さんが愛する布に、奈良を代表する布、蚊帳織と麻布があります。

 

今は蚊帳というと、蚊帳織ふきんが有名ですが、ふきんが作られるようになったのは、ごく最近のこと。ひと昔前まではどの家でも、夜、休むときに、蚊帳を寝室に吊って、蚊を防いだものでした。この蚊帳織をいかしたアイデアを、と石村さんが考えたのが、野点のための蚊帳織の空間です。

 

「親しい仲間と野点をするときは、蚊帳織で簡易なお茶室を作って楽しんでいます」

 

庭がなくても、例えば、テラスのテーブルの周りを蚊帳織で囲ってみたら、素敵な空間が生まれそうです。

 

「お客様から、家の中に蚊帳織を使って読書スペースや、子どもスペースを作ってみたら好評だった、という話を聞くとうれしくなります」

 

蚊帳織がなくても粗い織り目の麻布があれば、同じようにさらっと垂らすだけで心地よい空間が作れそうです。麻もまた、奈良を代表する伝統産業のひとつ。奈良生まれの麻布をもっと多くの人に知ってもらい、暮らしの中にいかしてほ

しいと、石村さんも愛用しています。その中でも、毎日の暮らしにすぐ取り入れやすそうなのが、麻のふきんです。

 

場を清めてくれる 麻のふきんはいつも身近に

 

「私が1日のうち一番長くいるのが台所。自宅にスタッフが訪ねてくると、やっぱり、また台所で何かしている、といわれるほど。そして、私は台所にいる間、どうやらしょっちゅう、ふきんを手にしているみたい。もちろん愛用しているのは、地元で作っている麻のふきんです」

 

今回おじゃました石村さんのご自宅の台所の棚には、重ねられた白いふきんの姿がありました。

 

「自分が好きなもの、気持ちいいものを、いつも見えるところに置くのは、自分の目を喜ばせたい、ということがあるんでしょうね。真っ白い清潔なふきんを遠慮なく使えるのもうれしいこと。やはり毎日気持ちよく暮らしたいですから」

 

吹きこぼれやほこりをきれいにしてくれる麻のふきんは、毎日きちんと洗濯してまた棚へ。くたびれてきたら雑巾にして、最後までしっかり使い切る。暮らしの道具の目利きである石村さんに選ばれて、ふきんの一生も幸せです。

 

※テキストでは石村さんの様々な麻布使いを紹介しています。

 

■『NHK趣味どきっ!暮らしにいかす にっぽんの布』より

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