暮らし

多様性の国インドネシア “チャンプル文化”を体現する大使夫人のおもてなし


2019.10.30

お祝いごとがある家の近所の女性たちが集まり、協力し合ってつくるのが習わし。左に置かれているのは、ごはんの型。撮影:安倍まゆみ

「今日はようこそ! インドネシアのチャンプル文化を感じていただけたらうれしいです」と、インドネシア共和国大使夫人ラトナ・ミラ・タスリフさん。「チャンプル」はインドネシア語で「混ぜる」という意味。なぜか沖縄の言葉と似ているのが興味深いですね。多民族国家インドネシアの大使夫人ならではのおもてなしのエッセンスを教えてもらいました。

 

*  *  *

 

1万4千以上もの島々が連なるインドネシア。地域ごとに異なる文化を持ち、300を超える民族が暮らす多民族国家です。大使夫人、ラトナさんのおもてなしは、まるでインドネシアをめぐる小旅行のよう。この国の多様な魅力をぎゅっと凝縮して、ゲストの五感を刺激します。

 

例えば、料理。「インドネシアの料理は地域性が強く、スパイシーなパダン料理、辛いシーフードが多いマナド料理、牛肉はあまり食べないバリ料理など、味も食材もバラエティーに富んでいるんです」と、ラトナさん。

 

テーブルに用意されたのは、「トゥンパン」という祝い膳。円すい形のごはんを中心に、数種類の料理を盛り合わせるのが定番の大皿料理です。そこにインドネシア各地の料理を並べたところが、ラトナさん流のおもてなしアイデア。

 

「レモングラスの茎につくねを巻きつけた『サテ・リリット』はバリ島、牛肉をココナツミルクとスパイスで煮込んだ『ルンダン』は西スマトラの料理です。ほかに、テンペ(インドネシア発祥の、大豆などをテンペ菌で発酵させた食)やココナツフレークなど、珍しい食材を使ったものもいろいろ。インドネシアの多様性を味わってください」

 

独特の音色を持つ音楽も、おもてなしの大切な要素です。伝統楽器の「アンクルン」は、一人が1~数音を担当し、チームで演奏する珍しいもの。「何人もで力を合わせて曲を奏でるところが、インドネシアという国そのものを思わせますね」と、ジャーナリストの片野順子(かたの・じゅんこ)さんも聴き入ります。そして忘れてはならないのが、日本でもおなじみのバリ舞踊。

 

「体の動きや顔の表情、すべてを使ってゲストへの歓迎の気持ちを表します。手足の指先まで気をつかった、細かい動きが見どころです」と、ラトナさん。衣装の美しさも、パフォーマンスを引き立てます。

 

「バリ舞踊の踊り手も、音楽の奏者たちも、各地の民族衣装を身につけています。染めや織り、刺しゅうなど、手仕事の多様さもまた、インドネシアが誇る伝統なんですよ」と、ラトナさん。

 

多様性の国といわれるインドネシア。その魅力は、食べて、聴いて、見てと自分の感覚をフル稼働してこそ味わえるのです。

 

※続きはテキストでお楽しみください。

 

■『NHK趣味どきっ!大使夫人のおもてなし』より

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