暮らし

自己紹介に使えるワザ──聞き手との接点を見つけ、共有できる情報を開示


2017.05.02

撮影:武藤奈緒美

最近は学校が主催する落語会が増え、立川(たてかわ)こはるさんも招かれることが多いとか。児童・生徒向けもあれば、人前で話すのが仕事の先生たちに向けた落語会もあるそうです。今回は、そんな先生向けの落語会での名乗り(自己紹介)を見てみましょう。聞き手との接点の見つけ方、共有できる情報の提示のしかたは、わたしたちの自己紹介でも参考になります。認知科学者の野村亮太(のむら・りょうた)さんに解説してもらいました。

 

*  *  *

 

今回、お招きにあずかりました、立川こはると申します。

 

先生方の前で、こんな若輩者が申し上げるのも、いろいろ恐縮いたしますが、わたくしも(ポイント1)人前でしゃべるという商売でございます。

 

まだキャリア11年目でございますが、落語を通してなにかお伝えできることもあるのではないか、ということで、今回こちらに伺ったような次第でございます。

 

ちなみに、わたくし、大学院を中退して落語家になったという経歴を持っておりまして。ちなみに理系(ポイント2)でございます。

 

なにかしら、お話の中で引っかかるところがございましたら、ゆっくりと、あとでお話ししたいと思いますが、まずは、どうぞよろしくお願いいたします。

 

こはるのひとこと

 

先生方はみんな年上と想定しているので、「若輩者ですが」と、下から行くのが基本。また大学院で昆虫の細胞培養をやっていたことは、あえて言わず、「大学院中退」「理系」という言葉だけをフックにして、高座のあとの懇親の場などで、話題としてもらう心づもりでございます。

 

野村亮太のここに注目!

 

ポイント1 同じく人前でしゃべるのが仕事である先生たちと同じ、という意味を込めて「わたくしも」と言うことで、すっと仲間内の距離をつくっています。

 

ポイント2 たくさんのことを述べるより、本質的な単語をひとつ放ることを選んだこはるさん。すばらしいですね。

 

その場で目標達成するよりも、課題の途中でやめたほうが、そのことを覚えてもらいやすいことがあり、これを「ツァイガルニック効果」と言います。「この人を知りたい」と思っている人にとって「理系」というフックは、聞き手の興味をそそり、覚えやすさという意味でも有効かもしれません。

 

■『NHKまる得マガジン 落語でつかむ 話し方の極意』より

このエントリーをはてなブックマークに追加

  • テキストビュー300×56

000000817212017_01_136

食事のせいで、死なないために〔食材別編〕

2017年08月29日発売

定価 1944円 (本体1800円)

000061992512017_01_136

NHK趣味どきっ!MOOK 5日でわかる!はじめてのスマホ

2017年08月25日発売

定価 972円 (本体900円)

000000113522017_01_136

NHK出版 なるほど!の本 あなたのその「忘れもの」コレで防げます

2017年05月10日発売

定価 1188円 (本体1100円)