趣味

同郷&同期の屋敷伸之九段とのNHK杯戦 – 野月浩貴八段の自戦記


2020.04.17

左/屋敷伸之九段、右/野月浩貴八段 撮影:河井邦彦

第69回NHK杯3回戦第3局は屋敷伸之(やしき・のぶゆき)九段と野月浩貴(のづき・ひろたか)八段の同郷対決となりました。野月八段が寄せてくれた自戦記から、序盤の展開を紹介します。

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*  *  *

 

同期の憧れ

 

屋敷さんは北海道札幌市出身の同郷。私よりも2学年上で、奨励会入会は昭和60年入会の同期です。

 

木村一基王位や金沢孝史五段も同期となりますが、小学生のころからずっと屋敷さんは目標でもあり、憧れでした。

 

屋敷さんは我々が奨励会でもがいている間に、棋士となり最年少タイトル挑戦に最年少タイトル獲得と、数々の偉業を打ち立てました。

 

気兼ねなく接してくれるので親しい間柄ですが、棋士としての棋歴は圧倒的で、その距離は縮まっていません。

 

NHK杯で対戦するのは6年振り2度目です。その時は後手番の横歩取りで敗れました。

 

振り駒で後手番になったので、最近課題としている雁木模様の出だしで臨みました。

 

先手の▲3七銀が早かったので、中飛車に構えて銀の動きを封じる作戦を選択しました。

 

▲3五歩と仕掛けられた局面からは、ほぼ一直線の手順であまり変化の余地はありませんでした。読みとしては△1五角の味がよいので互角以上で戦えていると考えていました。

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北海道のきずな

 

数年前から「北海道にも研修会を設立しよう」との話があって、北海道将棋界と日本将棋連盟、北海道出身の棋士たちで準備を行ってきました。会議で顔を合わせる機会も多く、「それぞれの立場で北海道のために何ができるか?」を持ち寄っては議論を重ねてきました。

 

北海道研修会は皆さまの協力のおかげで、今年10月からスタートすることが決まりました。古くなって現在は使用していない北海道将棋会館の建設問題など、クリアしないといけない課題はまだまだありますが、皆で力を合わせて北海道を盛り上げていけたらと考えております。

優位を意識

 

2図の▲3八金以降、銀損となりましたが、その代償として①先手の歩切れ②後手の馬の威力③駒効率、この3点を合わせると後手がまずまずの形勢と考えて指していました。

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3図の△4七歩に対して▲2八飛は△3五歩や△9五歩▲同歩△9七歩としておいて先手の指し手が難しい局面となります。そこで▲4七同銀と取りましたが、後手は手順に駒損を回復して優位に立ったと感じました。

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ただし、考慮時間が少なくなってきたのが懸念材料で、短い時間の中で正確に指し続けることができるのか、という不安は頭の隅にありました。

 

※投了までの棋譜と観戦記はテキストに掲載しています。

※肩書はテキスト掲載当時のものです。

 

■『NHK将棋講座』2020年3月号より

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