趣味

「大切なことは、多肉が教えてくれる」多肉の達人 スペシャル対談


2020.01.15

左/靍岡秀明さん、右/長田研さん 撮影:藤田浩司

多肉植物やサボテンを中心とした生産を行うナーセリー、カクタス長田を経営する長田研(おさだ・けん)さんと、多肉植物・サボテンの東京の老舗、鶴仙園の3代目、靍岡 秀明(つるおか・ひであき)さん。新しい種類や、よい株を育てるため試行錯誤を続ける多肉業界で、親交の深い二人は、昨今の多肉ブームをけん引してきた立役者でもあります。生産者として、販売者として、業界の最先端を走り続ける両雄が最愛の多肉植物について、仕事について、じっくり語り合いました

 

*  *  *

 

――お二人は本当に仲がよいですね。

 

長田 僕は生産者で、秀君は小売業。立場や視点が違うから、新鮮でうまくいくんだと思います。秀君は、お客様が今、何を求めているのかを常に考えている。そんな点を尊敬しています。僕は自分が好きなものを優先しがちなので……(笑)。

 

靍岡 一緒にセリに行っても、研ちゃんは実生(タネをまいて株を育てる)のための、親になれる株を探すけれど、僕は「今すぐいいやつ」を狙うから競合しないもんね。研ちゃんのタネまきには、卓越したセンスを感じる。これはもう持って生まれた才能なんだと思う。研ちゃんはナーセリーのタネまき、全部やってるもんね。

 

―― 一人で全部!ですか?

 

長田 そうです。例えば、未導入種のタネを輸入して、タネをとるための親を育てて、タネをとってまいて…と5〜10年単位の仕事ですが、小さなタネが形になっていく姿を見ると、苦労も忘れられます。

 

靍岡 研ちゃんは、交配で新しい種類を生み出すだけでなく、タネまきを通じて、植物の生態を研究して、誰もが欲しいものを作出するところがスゴい!

 

――うまく交配させるコツはありますか?

 

長田 親をしっかり選別することですかね。交雑種は、一定の大きさまで個体差が出にくいものも多くて、なかなか難しいんですが……。

 

靍岡 4~5年栽培していたユーフォルビア・シンメトリカ(※)の雌の良株を、研ちゃんにふやしてほしいな。それ、前に研ちゃんから買ったユーフォルビア・オベサのなかから出現した株だから「お返しします」だね。またよい株ができたら、分けてね!

 

長田 了解。そういえば秀君、この前自分が売った株をセリで買い戻していたよね。

 

靍岡 アガべ・ユタエンシス・エボリスピナね! 愛好家さんがカッコよく大きく育てた姿を見たら、どうしても欲しくなって買い戻しちゃった。

 

長田 セリだから、どんどん値上がりして…(笑)。

 

靍岡 でも、やっぱり自分が育てた株には愛着があります。愛好家さんたちが公開しているSNSを見ていても、自分が販売した株はすぐにわかるし。

 

――わかりますか!?

 

長田 はい。説明はできないけど、育てた人の個性は出ます。植物にかけた愛情は結果に出るんです。

 

※続きはテキストでお楽しみください。

 

■『NHK趣味の園芸』2020年1月号より

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