趣味

決め過ぎていませんか? 「先手」はタイミングが大事!


2019.01.01

白石勇一(しらいし・ゆういち)七段が、悪手を“病気”に見立てて、“処方箋”(解決策)を伝授してくれる別冊付録「白石勇一の棋譜クリニック〜あなたの悪手、なおします!〜」。今月の処方箋は「決め過ぎ」病です。「先手の着手は敵に命令しているみたいで気持ちがいい」……思わずうなずいた方、「決め過ぎ」病の疑いがありますよ!

 

*  *  *

 

日本棋院の「サマー碁キャンプ」が8月21日から9月1日まで開かれ、私も指導碁などで愛棋家の方々と楽しい時間を過ごしました。海外のファンが対象で、今年はヨーロッパの方が多かったかな。言葉の壁が気になるところですが、何とかなるもんです(笑)。前回、一力(遼八段)さんは英語で講義していました。さすがだなあ。

 

一人、小学生くらいの子どもさんがいました。指導碁の際に「弱い石を守ってね」とアドバイスしたら、「捨てることを考えていた」って即座に返されて。発想が自由なのには驚きました。その石を捨てて模様を作りたかったらしいんです。改めて考えてみると、なるほどなあって(笑)。

 

今月は「決め過ぎ」病を治療します。皆さん、「先手」は好きですか? まあ、こう聞かれて嫌いと答える方はいませんよね。ただ、先手だからといっていつでも打っていいわけじゃないんですよ。ここ、重要なポイントです。

 

先手は気持ちのいいものです。必ず受けてもらえるという安心感がある。それは征服感にも通じるものがあります。しかし、そこに落とし穴があります! 何でもかんでも決めてしまうと、それは味消しにつながり、相手を安心させてしまうのです。先手はいつでも打てるもの。だったら慌てて決める必要はありません。これをしっかりと押さえておいてください。

 

決めていいのは、①今しか受けてもらえない、またはあとでは受け方を変えられてしまう場合、②今打たないと同じ場所を敵に占められて困る場合。基本的にこの二つです。覚えておきましょう。

 

ケース1

 

右下で現れた両ガカリ定石の途中、黒12は典型的な「地が気になる」病。黒12では16などと大きく構えてほしい。白19までの白は好形です。原因はもちろん縮こまった黒12。黒32から挽回できるか? (五子局) 09189122018_p00b_01

◎出題図(1〜15)

まさにあっという間でした。手順を追って確認してください。白15までの結果を見て、黒がいいと思う方はいないはず。なぜ黒四子は取られてしまったのか。むやみに形を決めにいった構想が惨劇の始まりです(笑)。どの手か分かりますか?

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Bad× 要治療! 余計な交換…

 

黒1(出題図黒6)と白2のオサエを換わったのが取り返しのつかないミスです。全くの余計な交換で、利敵行為と言えます。それから黒3とハネたため、白4の二段バネがきつくなりました。すでにこの段階でしびれているんですよ。黒はひどいダメヅマリに陥っています。

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 Good○ 2図 取られない!

 

黒a、白bの交換は、百害あって一利なし! 保留するだけでダメヅマリからは解放されるんですよ。単に黒1が正しい。白2の二段バネには実戦進行同様、黒3、5でOK。三子は取られません。このあとは白a、黒cが相場。白全体への攻めが狙える格好です。

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■『NHK囲碁講座』2018年12月号より

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