趣味

魅力的な作品は、魅力的な作者から


2013.04.25

新しい季節になり、新しい生活をはじめ、新しく短歌に触れる人の多くなる4月。歌を始めた彼ら・彼女らが真っ先にぶつけてくる質問は、とてもシンプルで、そして永遠の疑問ともいえる。

 

「どうしたら歌が上手くなりますか?」

 

この質問に歌人の天野慶氏が答えた。

 

*  *  *

 

答えるときは、まず基本である「先人の歌をたくさん読むこと」と「とにかくたくさん歌を詠むこと」と答えるようにしているが、最近これにもう一つ付け加えるようにしていることがある。

 

それは、ベストセラーをたくさん生み出している女性編集者が「小説を売るために大切にしていることです」と教えてくださったことだ。

 

短歌の世界から見たら、小説には読者が大量にいて、ドラマ化や映画化とメディアも越えてもてはやされ、良いものであればどんどん売れているように思える。でも、それだけではだめなのだそうだ。

 

「本だけじゃなく、作者の魅力も伝えて〈この人の書いたものを読みたい〉と思わせることが大切なんです」という。

 

確かに、いま小説家たちはワイドショーで的確なコメントをしたり、若者を励ましたり。俳優や女優さんのような作家もたくさんいて、書店のPOPやチラシにも作者たちが素敵に微笑んでいる。本の魅力だけではなく、作者にも魅力が溢れている。

 

「本」の部分を「短歌」にして若い人たちに伝えている。魅力的な作品は、魅力的な作者から。短歌の歴史を見ても斎藤茂吉の魅力、与謝野晶子の魅力、そして穂村弘の魅力、どれも作品はもちろんのこと、その人となりに惹きつけられてしまう。

 

現代の作者たちの魅力が増して「この人の歌がもっと読みたい」と思わせてくれる日を楽しみにしている。

 

■『NHK短歌』2013年4月号より

 

このエントリーをはてなブックマークに追加

  • bnr-eigo2019

  • テキストビュー300×56

  • bnr-eigo2019

000000361392020_01_136

宇宙のがっこう

2020年07月30日発売

定価 1320円 (本体1200円)

000061992932020_01_136

NHK趣味どきっ!MOOK ひとりでできる!はじめてのスマホ 100の困った!解決ブック

2020年06月25日発売

定価 1100円 (本体1000円)

000000162762020_01_136

サラリーマン川柳 とびきり傑作選

2020年06月10日発売

定価 1045円 (本体950円)