趣味

有機栽培に欠かせないミミズ その5つの働き


2013.04.13

フトミミズ。畑に生えた草を掘り出してみると、根の周囲から見つかった

土作りが大切なのは、現在広く行われている慣行栽培でも、化学肥料や農薬を使わない有機栽培でも同じ。しかし、有機栽培の土作りの特徴は、自然の循環のしくみや働きを考えながら、行うところにある。

 

「畑の土に堆肥(たいひ)などの有機物を鋤(す)き込むだけでは有機栽培とは言えません。土作りの本当の担い手は、土壌動物や微生物などの生き物たち。こうした土壌圏の働きをもっと積極的に活用する栽培を考えたい」。そう訴えるのは、ミミズ研究に長年携わってきた愛媛大学名誉教授の中村好男(なかむら・よしお)さんだ。土作りにミミズが大切だとよく言われるのは、こうした土壌動物のなかでもミミズがとりわけ重要な働きをしているからだという。中村さんはミミズの働きを次の5つに整理している。

 

*  *  *

 

1 動き回る

ミミズは食べ物を求めて動き、土の表面から土中に有機物を引き込んで、土をかき混ぜる。土中を通った穴(孔道/こうどう)は空気や水の通り道になり、微生物が繁殖し、植物の根がよく発達する。

 

2 食べる

枯れ葉や野菜くず、大量の土などを食べ、腸内で病原菌や害虫のセンチュウなどを減らし、病原菌を抑える有益な菌をふやす。土中のミネラルを植物が吸収しやすい状態に変える。

 

3 糞をする

糞(ふん)にはチッ素、リン酸、カリ、カルシウムなどのほか、土壌中の有機物も多く含まれ、すぐれた肥料になる。アミノ酸や酵素なども多種類が見つかっている。

 

4尿をする

体表面から出るネバネバの体液が尿。チッ素分が多く、微生物のえさとなると同時に、動いたあとの穴の壁面を固める。

 

5死体になる

ミミズの死体にはタンパク質が多く、アミノ酸やビタミン類も豊富。土壌動物、微生物のえさとなり、最終的に肥料分になる。

 

「ミミズは1日に体重の約1〜1.5倍の糞を出します。糞は団粒構造(だんりゅうこうぞう)をして、固まっていて崩れにくいのが特徴です。しかも肥料分も多く、ミミズの糞だけを集めて野菜を栽培すると一般の化学肥料を施したものより、よく成長することが実験でわかっています」

 

■『NHK趣味の園芸 やさいの時間』2013年4月号より

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