趣味

屋敷伸之九段、昔の自分と対局したらどちらが勝つ?


2016.02.13

写真:河井邦彦

三浦弘行(みうら・ひろゆき)九段からバトンを受け取ったのは屋敷伸之(やしき・のぶゆき)九段。史上最年少タイトル獲得の記録を持つが、「昔の自分と現在の自分が対局したら」という興味深い質問への答えは?

 

*  *  *

 

三浦弘行九段より屋敷伸之九段への質問

 

Q 最近、愛用されている棒銀戦法の魅力は何ですか?

 

私が指す相居飛車の棒銀はコンパクトな陣形で攻めに専念できるのが魅力ですね。攻める態勢を築きやすく、研究しやすいのも棒銀戦法の長所です。玉を囲うか囲わないかはケースバイケースですが、棒銀はとにかく銀をぐいぐい出ていくだけです。

 

これは、三浦さんからの質問でしたよね。プロ棋士に対する答えではないかもしれませんが(笑)。それまで主戦場としていた矢倉4六銀─3七桂戦法が苦戦してきたことが影響して、棒銀を指すようになったのです。2図は前述した丸山九段戦で、▲2四歩△同歩▲同銀で私が攻める展開となりました。以下△2四同銀は▲2二角成ですし、△2四同飛は▲3三角成△同桂▲2四飛で、いずれも飛車を取って先手成功です。もちろん実際の形勢は難しいですが、2筋が破れたので棒銀を採用した意思を示せたと思っています。ちなみに2図で▲4六同歩と応じるのは、△4二飛と飛車を転回され、私の棒銀が空を切ってしまうので、失敗に終わります。

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Q 18歳での初戴冠と20代になってからの復位とでは喜びも違ったと思います。当時のお気持ちが知りたいです。復位のときは私が相手だったので、お答えしにくいかもしれませんが、遠慮は無用です(笑)。

 

18歳のときは中原誠棋聖が相手でしたし、2連敗からの3連勝でしたので、まさかといった感じでした。棋聖を獲得したものの、一流棋士との対戦が増えてトップの壁のようなものを感じていました。ですので、そのあとタイトル戦に再び出られるとは正直思ってもいませんでした。順位戦に関してもC級1組からなかなか昇級できず、結果を出すことができなかったですから。

 

ですので三浦棋聖に挑戦できたときは自分でもびっくりしましたね。当時はスポーツ新聞の詰将棋を解く程度のことしかしていなかったので「勉強時間は1日1分」と三浦棋聖を挑発するようなことを言ってしまい、大変失礼いたしました。棋聖に復位できたときは驚きましたが、初めてのときよりも手応えはあり、うれしさも格別でした。

 

ただ、1日1分の勉強では、やはりなかなか通用しないと、このあとに痛感しました。現在は三浦先生を見習い、勉強時間を少しでも増やしていくようにはしています。

 

Q 年月とともに棋風が変わったと思いますが、昔の自分と現在の自分が対局したら、どちらが勝つでしょうか?

 

現在の自分が勝ってほしいですが、こればかりは何とも言えないですね。最近はいろいろな若手棋士と指していますが、なかなか厳しい指導を受けています。最近の若手の皆さんはしっかりしているので、我々の若いころよりも格段に強くなっているような感じを受けます。願望としては昔の自分には勝ちたいですが、終盤でまくられるかもしれません。

 

■『NHK将棋講座』連載「あなたの知っている/知らない屋敷伸之」2016年2月号より

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