趣味

「まるでくす玉のよう」殿堂入りしたバラ ‘サリー・ホームズ’ の魅力


2013.03.24

昨年10月に開催された第16回世界バラ会議の南アフリカ・ヨハネスブルク大会で、一重咲きの品種で初めて殿堂入りした‘サリー・ホームズ’。これまで日本ではあまりポピュラーな品種ではなかったため、殿堂入りに驚いた人や、初めて名前を聞いた人も少なくなかったようだ。バラ栽培家の前野義博(まえの・よしひろ)さんは1990年代に初めてサリー・ホームズと出会った時には、「これはバラ好きの方が好む品種じゃないな」と思ったそう。しかしサリー・ホームズの持つ魅力に、その考えはすぐに覆された。

 

*  *  *

 

実際にサリーを育ててみると、しなやかな長い枝先に大輪の花がたっぷり咲くさまは、まるでくす玉のよう。野バラの楚々とした風情とは、まったく違うものでした。半つる状に伸びる枝をアーチやパーゴラ、壁面に誘引すれば、その場を花のくす玉が彩ってくれます。花と花が重なり合って、豪華絢爛(けんらん)な景観が繰り広げられるのです。

 

さらにサリーはすこぶる強健で、黒星病などで少しぐらい葉を落としても樹勢が衰えることなく、ぐんぐん枝を伸ばして大きく育ちます。

 

また、新品種としては比較的ひっそりとデビューしたにもかかわらず、しだいに評価が高まって、注目されるようになりました。数年後には世界各地の権威あるコンクールで次々と金賞に輝き、1993年のグラスゴー国際コンクールで芳香賞まで得たことは、特筆に値します。こうした経歴と評価が、今回の殿堂入りにつながったのでしょう。これを機にサリーが、日本のあちこちの庭をくす玉で彩ってくれることを、私は期待してやみません。

 

【‘サリー・ホームズ’ 栽培のヒント】

● 庭植え向きで、初心者でも育てられる。

● 水はけと風通しのよい日なたで育てる。

● 成長が早く、よく花枝が伸びて大きく育つ。

● 黒星病が多少出るが、回復が早い。

● 花がらは随時摘み取る。株を大きくしたいときは、花首で切る。

● 積雪のない寒冷地では、一般的なつるバラと同じく冬に枝枯れしやすいため、本品種らしい背の高い株を望みにくい。

 

■『NHK趣味の園芸』2013年3月号より

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