趣味

「悟空はどんなときも全力で」野沢雅子さんの役者魂


2015.09.09

「声優をしているから、私は元気でいられる」と野沢雅子さん。撮影:石川登

多くの人々が憧れてきたアニメの声優たちは、どんな思いでキャラクターに命を吹き込んできたのでしょうか。『NHK趣味どきっ!一声入魂!アニメ声優塾』では、製作現場の裏側で繰り広げられる、オリジナルの創意工夫や制作秘話などを著名声優たちが熱く語ります。

 

番組にご登場いただく豪華声優陣の一人、野沢雅子(のざわ・まさこ)さん。『ドラゴンボール』の孫悟空をはじめとする数々の少年役で、何世代もの子どもたちを夢中にさせてきた野沢さんに、『ゲゲゲの鬼太郎』や『ドラゴンボール』などにまつわる貴重なエピソードをうかがいました。

 

*  *  *

 

――野沢さんがアニメで初めて主演を務めた『ゲゲゲの鬼太郎』についてもお話を聞かせてください。作品や鬼太郎というキャラクターとの出会いは?

 

野沢  出会いはオーディションですよね。オーディションに行って、その場で台本をいただいて読んだのが最初です。

 

――オーディションでは、どのようなことを意識されたのですか?

 

野沢   私はすべて自然体です。オーディションに限らず、「こうやって声を出そう」とか、「こういうふうにセリフを言おう」と思って言ったことはないんですよ。鬼太郎も、台本を読んでスッと自然に出たもので役が決まりました。

 

――大ヒット作となった『ゲゲゲの鬼太郎』以降も、数多くの作品で少年役を演じられています。少年役のとき、特に意識されることなどはあるのでしょうか?

 

野沢 それも全然ありません。自然体ですから(笑)。その現場に行ったら、自然とその役になりきっちゃうというんですかね。例えば、同じ少年と言っても、鬼太郎と、『いなかっぺ大将』の大ちゃん(風大左ェ門)だと、全然違うじゃないですか。何かを意識しなくても、自然と、その役になるんですよ。

 

――『ドラゴンボール』の孫悟空もオーディションだったのですか?

 

野沢 はい。オーディションです。『ゲゲゲの鬼太郎』と『ドラゴンボール』と『銀河鉄道999』(星野鉄郎役)。どれもすごくヒットして、イベントもたくさんやった作品ですが、3作品ともオーディションがあって。どの役も、原作者の先生が私を選んでくださったんです。それは最高にうれしかったです。

 

――悟空などで、戦闘シーンを演じる際、意識されることなどはありますか?

 

野沢 戦うからといって、特別意識はしません。例えば、私だって暴漢みたい人が襲ってきたら、危ないから防御をするし、やり返しますよね。『ドラゴンボール』の現場では、もう悟空になりきっているから、そういう反応が悟空として出てくるというのかな。悟空は、相手に勝てるか負けるかとか考えず、どんなときでも全力を出して戦いますから。私も悟空として、全力でやるだけなんです。

 

――続編の『ドラゴンボールZ』では、悟空に続いて、息子の悟飯と悟天も演じられました。その案を最初に聞いたときのお気持ちはどうでしたか?

 

野沢 最高にうれしかったですよ。だって、主役と準主役を自分一人でやれるなんてあり得ないですからね。この世界で新記録で歴史に残ることじゃないかなと思うくらい。とってもありがたいです。

 

――悟空、悟飯、悟天の演じ分けも特に意識はされず?

 

野沢 そうですそうです。悟空の子どもだからとか頭で考えたものではなく、アフレコのときに、台本や絵を見て、自然に出たものですね。

 

――変わった役柄としては、『あらいぐまラスカル』のラスカルも演じられていますね。ラスカルは人間の言葉を話さず、鳴き声しか出さないキャラですが……。

 

野沢 ラスカルは鳴き声しか出せないからこそ、私の方からオーディションを受けさせてくださいとお願いしたんです。「痛い」と言葉で言えば、観ている方にも簡単に「ああ、痛いんだな」というのは伝わるじゃないですか。でも、鳴き声だけで感情などを全部表さなきゃいけないのは、すごく大変なこと。大変ですけど、それができたら、役者冥利(みょうり)に尽きますよね。だから、ぜひ、やりたかったんです。オーディションに受かった後、アライグマの鳴き声を知りたくて何度も動物園に通ったんですけど、全然、鳴かないんですよ(笑)。10日くらいは通っても鳴かなかったんですが、ちょうどテレビでやっていた『野生の王国』という動物番組を観ていたら、アライグマが出てきて。1回だけ「クゥーン」って鳴いたんです。「これだ!」と思って、その鳴き声をヒントにしました。台本もラスカルのセリフには鳴き声しか書いてないのですが、そこにラスカルの気持ちを考えながら自分でセリフを書き込んで、その気持ちでアフレコしました。

 

■『NHK趣味どきっ!一声入魂!アニメ声優塾』より

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