趣味

「ゴキゲン中飛車」って何?


2014.11.15

ゴキゲン中飛車 基本図

『NHK将棋講座』の別冊付録では、序盤の分類・研究で知られる上野裕和(うえの・ひろかず)五段が、毎号変わるテーマに沿ってNHK杯の序盤を解説している。今月のテーマは「ゴキゲン中飛車/先手中飛車」。本稿ではゴキゲン中飛車の特徴や、戦法ができた経緯などについて、上野五段に教えていただく。

 

*  *  *

 

1 ゴキゲン中飛車って何?

 

ゴキゲン中飛車とは、「基本図(右上図)からスタートする、角交換ありの後手番中飛車」です。

 

いつも朗らか、快活な近藤正和(こんどう・まさかず)六段が開発したのでこの名称になりました。カタカナにしたのも絶妙で、この親しみやすい命名が流行の一因のような気がします(もちろん、戦法としても優秀です)。

 

2 特徴は?

 

一番の特徴は、「居飛車側のさまざまな指し方に対して、自在に戦える」点です。ゴキゲン中飛車が指され始めた当初は(振り飛車側が)角交換を防がない指し方そのものが珍しく、王道の戦法とは思われていませんでした。

 

そのため「何らかの手段で居飛車側を優勢にできるはず」と考える棋士が多く、あらゆる角度から対策を作られたのですが、そのつど自在に対応して、ここまで生き残ってきました。

 

なお、振り飛車でありながら、居飛車の感覚にも共通するものがあるようで、居飛車党の棋士が後手番時に裏芸としてゴキゲン中飛車を採用するケースもしばしば見かけます。

 

3 戦法ができた経緯は?

 

もともとは真部一男(まなべ・かずお)九段や木下浩一(きのした・こういち)六段が時折指していた形を、棋士になったばかりの近藤四段(当時)が自身の研究を加えて連採したのが流行のきっかけです。

 

4 どれぐらい指されているの?

 

角交換四間飛車やダイレクト向かい飛車、角交換系三間飛車が流行する前は、後手番振り飛車の中で一番多く指されていました。

 

一時期は居飛車側の有力な対策に押されて実戦数が減少したものの、最近は再び安定して指されるようになりました。

 

5 今期NHK杯出場者で、よく指している棋士は?

 

久保利明(くぼ・としあき)九段、鈴木大介(すずき・だいすけ)八段、北浜健介(きたはま・けんすけ)八段、高崎(※)一生(たかざき・いっせい)六段、菅井竜也五段などです。

 

※高崎一生六段の苗字の正式表記は異字体の「はしごたか」に「たつさき」です

 

■『NHK将棋講座』2014年11月号より

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