趣味

どうしてお寺に「かみさま」がいるの?


2013.03.01

布袋さまや大黒天を仏教の神さま、と呼ぶのはちょっと不思議かもしれない。仏教のお寺にまつられているのは「ほとけさま」で、神社にいるのが「かみさま」と思われがちだが、あながちそうではない。東京藝術大学大学院教授(文化財保存学)の籔内佐斗司さんの解説はこうだ。

 

*  *  *

 

日本人は、祖先から受け継いだものと、海外から新しく入ってきたものをうまく共存させ、大切に保存する名人です。古くは縄文的な文化のうえに弥生的文化を築いたときや、遣唐使が唐から新しい文明をもたらしたとき、近現代では明治維新で欧米の優れた科学技術が入ってきたときや、終戦後にアメリカ的民主主義を受け入れたときなど、それまでの祖先の知恵や習慣を完全に捨て去ることなく、うまく融合させてきました。なんでも捨てずに大切にとっておく。日本の文化をひと言でたとえるなら、「おばあちゃんの箪笥(たんす)の抽斗(ひきだし)」という表現が合うのではないかと思います。

 

6世紀半ば、仏教が伝わったときも、日本人は自分たちの神々と共存させて受け入れました。外来の神々をまつる仏教寺院を建てるときには日本の神々に報告をし、まもってくれるように願いました。これがのちに神仏を同根とする「神仏習合」の思想へと発展します。奈良の東大寺を守護するため、九州の宇佐八幡宮から勧請(かんじょう)されたのが手向山八幡宮。同じく奈良の興福寺は、常陸国の鹿島神宮や香取神宮などから神々を勧請し、春日社を造営しました。

 

■『NHKテレビテキスト 趣味Do楽 彫刻家・籔内佐斗司流 仏像拝観手引』より

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