趣味

将棋の天才はチェスの王者になれる?


2013.03.03

将棋の森内俊之名人や羽生善治NHK杯がチェスを趣味としていることはよく知られている。チェスと将棋は似たゲームではあるが、将棋の方が複雑だからといって、将棋の天才がチェスのチャンピオンになれるわけではない。河口俊彦七段が、棋士が好むチェスと碁を語った。

 

*  *  *

 

森内俊之名人と羽生善治NHK杯がフランスのチャンピオンとチェスを楽しんでいる記事を見かけた。

 

森内と羽生が若いころからチェスを好んでいるという噂は聞いていたが、私がチェスに詳しくないこともあって、どのくらい強いか知らなかった。

 

将棋の才能からして相当強いだろうと思っていたが、羽生、森内の師匠のジャック・ピノーさんが、世界レベルと言っているのを聞いてうれしくなった。

 

将来、オリンピックとかワールドカップレベルの大会が開催されたとき、日本代表として出場し、ベスト16、ベスト8の望みがあるのではないか。早く国際大会を見たいものだ。

 

今回の記事でおもしろく思ったのはもう一つ、チェスのラグラーブさんが将棋で羽生と対戦したこと。飛車落ちだったというから驚くほど強い。やっぱりチェスの力が影響しているのかと思われてしまう。

 

しかしチェスと将棋は、似ているが違うゲームである。ある人が、将棋の方が取った駒を使う分、チェスより複雑で、だから将棋の天才がチェスをやればすぐチャンピオンになれる、と言ったが、それは誤りだ。チェスにも固有の定跡があり、奥が深いのである。

 

趣味の話を続ければ、昔は将棋の棋士が碁を打つのは当たり前だった。碁が強くなければ名人になれぬ、なんていう説もあって、升田幸三、大山康晴、丸田祐三、米長邦雄が特に好んだ。

 

私も同じだが、その凝りようは半端でなく、ある時期は、将棋より碁を考えている時間の方が多かっただろう。あの大山にしても同じで、若いころ碁に熱中したあまり、将棋の成績がボロボロになってしまったそうだ。

 

だから碁を勉強する時間を将棋に使った方がよい、とは言えまい。理由はわからないが、そういうものだろう。

 

羽生や森内がチェスに費やした時間は相当なものだったに違いなく、忙しいはずなのによく時間を作ったものだと感心する。

 

■『NHK 将棋講座』2013年1月号より

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