趣味

足利義満が認定した優良茶園 ただひとつ現存するのは?


2014.09.01

「奥の山」に茶舗を開き、六代目にあたる堀井長太郎さん。撮影:竹前朗

日本有数の茶どころとして知られる京都・宇治。かつて、将軍足利義満が、特に優れているとして、七つの茶園を指定したそう。その中で、現在でも唯一宇治茶を栽培する「奥の山」で宇治茶の伝統栽培をされている堀井長太郎さんに話を聞いた。

 

*  *  *

 

後世、“宇治七茗園(しちめいえん)”と呼ばれる宇治の茶園を、特別に庇護(ひご)した室町時代の将軍・足利義満。その七つの茶園は「森、祝、宇文字(うもんじ)、川下、奥の山、朝日に続く琵琶とこそ知れ」と和歌にも詠まれたが、およそ六百年の時を経て、現存するのは「奥の山」のみ。この茶園では今でも昔ながらの碾茶(てんちゃ)の伝統栽培が行われている。

 

「この宇治善法という地域は、南向きの斜面で、水はけ良好という栽培条件に恵まれ、優れた茶葉が採れることで古くから知られてきました。ただ、茶葉の品質のみならず、その特性を生かせる蒸し、乾燥、さらにブレンドなどの技術が伴わなければなりません」と語るのは、茶商としての創業から六代目に当たる堀井長太郎さん。茶の湯諸流派にはそれぞれ好みの配合があり、少しのぶれもなく安定供給できることこそが、茶舗としての腕の見せどころであるという。

 

「時代の移り変わりによって、茶樹の品種改良も行ってきましたし、お客様の嗜好(しこう)の変化もあります。それでも先達から受け継いだよきものを、次代にきちんと手渡していきたいですね」

 

■『NHK趣味Do楽 織部も親しんだ茶の魅力』より

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