趣味

あまりまじめではなかった? 広瀬章人八段の奨励会員時代


2014.05.17

広瀬章人八段(右)と、番組の司会を務めるつるの剛さん(左)、岩崎ひろみさん(中) 撮影:藤田浩司

2014年4月からの6か月間、NHK将棋フォーカスで講師を務める広瀬章人(ひろせ・あきひと)八段。テキストでは、広瀬八段の素顔に迫るコラムが連載されている。今回は奨励会員の頃の修業時代について語っていただいた。

 

*  *  *

 

一門で焼き肉

 

私の師匠は勝浦修九段。勝浦門は自由な気風でした。入門したときに一門で焼き肉を食べに行ったんですが、兄弟子の森内さん(俊之竜王・名人)に話しかけられて緊張した記憶があります。追加の肉を注文するかい、と言われたような。それ以来、四段になるまで一門で集まる機会もあまりなかったのですが、不思議とそこだけはよく覚えています。

 

穴熊依存症?

 

奨励会時代は、三段リーグを除けば5級と二段に上がるまでが長かったですね。初段に上がったのは割と早かったんですが、二段で停滞しているうちに同期に追いつき追い越されで、少し焦りを覚え始めました。中2、中3のころの話です。当時は、ひたすら実戦、という勉強方法でした。ほかの奨励会員は将棋会館で指す人が多かったと思いますが、自分は蒲田将棋クラブで指していました。

 

戦法ですが、級位者のころは振り穴が多くて、有段になるとほかの戦法も指すようになりました。ちなみに私が初段のころは藤井システムの流行期。相手が振り飛車のときは対抗形で、藤井システム対策が多かったです。相居飛車はまだ知識がなく、ほとんど指していませんでした。

 

全体を通して見ればやっぱり振り穴は多かったです。困ったら振り穴、というスタンスでしたね。居飛車穴熊も多くて、玉をどっちに囲っても、穴熊にすればいいやという。完全に穴熊に依存していました(笑)。蒲田に行かず穴熊を知らなかったらどうなっていたのか、想像もつきません。

 

記録係の思い出

 

記録は嫌ではなかったですが、特別好きでもなかったです。最初は中2か中3のとき。中学生は基本的に記録係をやらないんですが、そのときは夏休みで取った記憶があります。書き終えて何気なく折り曲げたら、書き直しになったという苦い思い出が……。タイトル戦の記録は1回。渡辺明五段(当時)が羽生善治王座に挑戦した王座戦五番勝負でした。

 

誰の、とこだわって取ることはなかったですね。多く取ったのは高校3年のとき、四段に上がる直前の12月ごろです。大学受験が推薦で早めに終わっていて時間があったので。印象に残っている対局といえば、▲加瀬純一六段 — △堀口一史座七段戦(王将戦1次予選)。昼休前(12時9分)に終局してそのまま感想戦をやることになったんですが、加瀬先生から「そばが伸びちゃうから食べていいよ」と言われてびっくりしました。出前を取っていたんですね。そのあと食べたか遠慮したかまでは、ちょっと覚えてないんですが。

 

昔を振り返ってみると……うーん、あまりまじめな奨励会員ではなかったですね(笑)。良くも悪くも、おおらかに過ごしていました。

 

■『NHK将棋講座』2014年5月号より

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