趣味

新芽の大敵「遅霜」はどんなときに降りる?


2014.04.20

雲のない晴れた日の夜間は、放射冷却によって冷え込みが厳しくなる。イラスト:楢崎義信

本格的な春を迎え、新緑がまぶしい4月。心も浮き立つ季節ですが、すくすく育つ新芽の大敵「遅霜(晩霜)」は、冬を忘れたころにやってきます。気象予報士の片山由紀子(かたやま・ゆきこ)さんが、遅霜に注意するべき天気の特徴について解説します。

 

*  *  *

 

「春山淡冶(たんや)にして笑うが如く、……」

 

山の草木が芽吹いて、明るい感じになる様子を「山笑う」といいます。4月はちょうど、桜前線が本州を北上するころで、二十四節気の一つ「穀雨(こくう)」(4月20日ごろ)を過ぎれば、雪降らず、霜降りずといわれます。

 

しかし、二十四節気はもともと、中国南部からきた言葉で、南北に長い日本列島の季節感とはズレがあり、急な寒さ「花冷え」や晩霜害は4月から5月の初めにかけて多く起こります。気象庁の定義では、大気中の水蒸気が直接、氷の結晶となって、地面または地物に付着したものを霜といい、氷点下の低温にさらされた葉や茎は、黒変して枯死します。

 

霜注意報は主に初秋と晩春に発表され、期間は、各地域の農作物の生育状況に合わせて決められています。そのため、農作物の少ない真冬には、霜注意報は発令されないのです。九州では3月中旬から、そのほかの地域では4月になると、晩霜害の季節です。

 

おもしろいことに、全国で唯一、静岡県では3月15日から5月10日まで、翌朝の霜の有無を予想する「おそ霜予報」が発表されます。お茶の産地ならではのご当地天気予報です。一方で、沖縄県には霜注意報はありません。

 

最新の霜注意報を知るには、気象庁のホームページが便利です。トップページにある「気象警報・注意報等」をクリックして、お住まいの都道府県を選べば、最新の警報・注意報が確認できます。

 

霜の目安は最低気温が3℃以下

 

では、晩霜に注意しなくてはならないのはどのようなときなのでしょう。

 

目安は、翌朝の最低気温が3℃以下になると予想されるときです。気温3℃では、霜が降りる寒さとは思えないと感じられるでしょう。じつは、気温の観測は地面から1.5mの高さで行われていて、当然ながら、気温の予想もその高さを基準としています。冷気は重いため、地面付近にたまりやすく、地上1.5mの高さではプラスの気温でも、草木のある地面付近では氷点下となる場合が多いのです。

 

また、風が弱く、星空がきれいな夜はしんしんと冷え込むことは、よく知られています。天気の言葉では「放射冷却」といって、雲のない夜間は地面から熱が奪われやすく、さらに風が弱いと、空気の循環が起こりにくいため、重たい冷気が地面付近に蓄積されやすくなります。

 

■『NHK趣味の園芸』2014年4月号より

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