趣味

井山裕太九段が考える「ヨセ」


2014.02.28

井山裕太九段 撮影:小松士郎

『NHK囲碁講座』には、毎号「井山裕太のはじめて覚える囲碁用語」という小冊子が付いている。井山裕太九段がその号のテーマとなる囲碁用語に関連する例題を出し、わかりやすく解説するという非常に役立つ付録となっている。2月号の用語は「ヨセ」。井山九段はヨセをどのように考えているのだろうか。

 

*  *  *

 

ヨセはアマチュアの方にはあまり好まれないジャンルのようですし、これはとてもよく理解できます。

 

序盤は自由な構想を発揮することができますし、中盤は華々しく戦うことができます。それに比べて1目、2目(実際は20目くらいはあっという間に違ってくるのですが)に神経をとがらせるヨセは、あまり楽しい分野ではありません。

 

また、碁が強くなる順番的にも、まずは中盤戦で石を連絡させたり切断したりする力がつくことが大切です。序盤でいくらリードしても、中盤の戦いで崩れてしまっては勝てませんし、中盤で大量リードを許してしまえば、ヨセで逆転することはほとんど不可能です。

 

中盤の力がつき、次に序盤の力をつければ、ヨセの勉強をしなくてもアマチュアの五段くらいにはなれると思います。ただし、碁が強くなればなるほど、序盤や中盤で大きな差がつかなくなります。こうなると勝負を分けるのはヨセの力です。

 

張栩九段などは、「考えれば答えの出るヨセのような場面で間違えるのは恥ずかしい」という考えをお持ちなので、終盤に時間を残す打ち方をされます。私は戦いが好きですから(笑)、序盤から中盤でつい時間を使ってしまい、ヨセでは秒読みに入っていることがほとんどです。

 

とはいえ、もちろんヨセをおろそかにしているわけではありません。長考するようになったのは、秒読みでもある程度しっかりヨセられる自信がついてからです。

 

■『NHK囲碁講座』2014年2月号より

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