趣味

史上2人目! 井山裕太九段が達成した「大三冠」とは


2014.01.15

山下敬吾(やました・けいご)名人に挑戦していた名人戦の七番勝負で、井山裕太(いやま・ゆうた)九段が4勝1敗でタイトルを奪取し、史上2人目となる「大三冠」となった。この「大三冠」について、井山九段が解説する。

 

*  *  *

 

大三冠というのは7大タイトルの中でも、特に上位の3大タイトルと言われる「棋聖」「名人」「本因坊」を同時に保持することです。過去には趙治勲二十五世本因坊が2回達成しています。趙二十五世本因坊は子供のころからの憧れで、特に2回目の大三冠のときは、自分も子供ながらに「すごいことだなぁ」と思ったことを覚えています。

 

自分はまだまだ趙先生には及びませんが、趙先生と並べるような記録を一つ残すことができたことには驚いていますし、とても光栄です。

 

年内はまだ王座戦・天元戦の防衛戦、そしてLG杯が残っていますが、自分にとって思い入れの深い名人を獲得できたことはうれしいですし、厳しい七番勝負でしたので、いい結果で終わることができてほっとしています。

 

ちなみに、大三冠に含まれているのでそれほど報道されませんでしたが、史上8人目の「名人・本因坊」も同時に達成しました。これは「名人」と「本因坊」を同時に保持することで、名人戦主催の朝日新聞では、そのことにも触れていたようです。

 

「棋聖・名人」や「棋聖・本因坊」は特に数えないので、少し不思議な感じもしますが、昔は大きなタイトルが「名人」と「本因坊」の二つだったことの名残りでしょう。「名人・本因坊」といえば、その時代の第一人者のことを指していました。

 

初めに坂田栄男二十三世本因坊が達成し、続いて林海峰名誉天元、石田秀芳二十四世本因坊、趙二十五世本因坊、張栩九段、高尾紳路九段、山下敬吾九段と続いています。趙二十五世本因坊は、「名人・本因坊」の状態で棋聖を奪取して大三冠となりました。それ以前の「名人・本因坊」が存在した時代に、棋聖戦はまだありませんでした。

 

3大タイトル戦はNHKでも中継されるので、各地の旅館で打たれていることはご存じの方も多いと思います。これを「地方対局」とも言います。

 

そして、3大タイトルは「2日制」です。1日目に「封じ手」を行い、対局中の状態のまま一夜を過ごします。「1日制」のタイトル戦の場合はその日のうちに打ち切ってしまいます。

 

対局が終わると、関係者との「打ち上げ」の席があります。その後はタイトル戦によってさまざまですが、控え室に戻って深夜までその日の対局の「検討」を行うことが普通です。名人戦の最終局のあとも、控え室で深夜の3時頃まで「立会人」の依田紀基九段や解説の金秀俊八段らと検討をしていました。朝日新聞の担当記者の方をはじめ、専門誌の方はそのような光景に慣れているのですが、取材に来ていた一般の記者の方は驚いていたようでした。「2日間もずっと対局していて、さらに深夜まで…」と言われましたが…。うーん、私たちにとってはそちらのほうが普通なのです。何しろ帰りの時間を気にする必要はありませんし(笑)。

 

■『NHK囲碁講座』2014年1月号より

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