趣味

山城宏九段、囲碁ナショナルチーム発足の背景を語る


2013.10.28

今後の日本棋院が力を注ごうとしている部分のひとつが「国際棋戦における日本勢の復権」である。

 

今や完全に中国と韓国の後じんを拝しつつある日本であるが、この流れを払拭すべく、関西棋院と協力して囲碁ナショナルチームを立ち上げた。「GО・碁・ジャパン」と名付けられた特別チームを発足させたのである。その後、テレビ囲碁アジア選手権で井山裕太九段が優勝を飾り、日本に8年ぶりの国際タイトルをもたらすなど、早くもその成果が表れている。

 

昨年6月に日本棋院の副理事長に就任した山城宏(やましろ・ひろし)九段に、ナショナルチーム発足の舞台裏を聞いた。

 

*  *  *

 

今はもう完全に中国・韓国に抜かれた形になってしまっていますからね。日本は追いかける立場です。そしてとにかく、このまま何もしないというのではどうしようもないので、とにかく一丸となって戦う姿勢を見せなければ、ファンからもそっぽを向かれるようになってしまう―そのためにはまずナショナルチームを作って、土台というか基礎を築こうと…。それがナショナルチーム立ち上げの理由です。

 

なにしろ初めてのことですからね。いろいろな人と相談をしました。その結果、今のトップ棋士、序列の上の方から参加するか否かの意思表明をしてもらってメンバーに入ってもらい、そこに新人王や有望若手を加え、女流棋士も10人を選んでチームを編成しました。それに19歳以下の棋士を育成選手として加え、機会があれば予選を行って世界大会への出場選手を決めていこうということになったのです。

 

育成プランは、かなり長いスパンで考えなければいけない。中国や韓国は何十年という年月を費やして日本を逆転したのですから、また逆転し返そうとしたら、それなりの月日はかかると考えるべきでしょう。ですから、最初にやろうとしているのは、世界大会に出場する選手に一番いい状態で対局できる環境を作ることです。

 

世界大会に臨む前に、チームのメンバーで集まり、研究合宿をするとか、データベースで対戦相手の最新棋譜を研究してみるとか、インターネット「幽玄の間」を利用して強化対局をするとか…。特にトップクラスの人と若手の対局に力を注ごうとしています。

 

こうした共同研究というのは、中国や韓国が実践して世界の舞台で結果を出してきたものです。日本はこれまで「自分で勉強して強くなるもの」という考えでした。一概にどちらがいいとは言えないと思うのですが、両国が共同研究で結果を出していることは事実なので、日本のスタイルにこだわることなく、いいところは取り入れてみようということです。

 

■『NHK囲碁講座』2013年10月号より

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