健康

夏冷えを解消! ペットボトル温灸術って何?


2016.08.12

ちょうどよい温度で、正しい当て方をすることが大切。撮影:下村しのぶ

お湯を入れたホットドリンク用のペットボトルをお灸がわりにする、「ペットボトル温灸(おんきゅう)」は夏の冷え対策にぴったり。考案した鍼灸師の若林理砂(わかばやし・りさ)さんに、ペットボトル温灸術がどんなものなのかをうかがいました。(医学監修:福田千晶)

 

*  *  *

 

私の仕事は、全国から訪れる患者さんたちに鍼(はり)やお灸(きゅう)の施術をしたり、食事指導を行ったりすることです。治療室を訪れる方のお悩みはそれぞれですが、ここ何年か、夏になると同じ問題を抱える患者さんが増えてくることが気になっています。

 

それは、夏なのに「体が冷えている」こと。

 

近年、日本の夏は異常な猛暑に見舞われており、その分、屋内は冷房でキンキンに冷やされていますよね。かつて経験したことのない激しい温度差に、私たちは1日に何度もさらされているわけです。

 

そんな極端な暑さと寒さに体がついていけず、体温調節機能が狂い、頑固な冷え症になってしまう人が、今とても多いんです。冷え症だと自覚している人もいれば、胸から上がほてっていて、まさか自分の体が冷えているとは思いもしない人も。そういう「一見、暑がり」の人でも、おなかや脚を触るとヒヤッと冷たい。実は極限まで冷え切った「隠れ冷え症」だったりするんです。

 

体が冷えていると、肩こり、腰痛、不眠、食欲不振、下痢、便秘、といったさまざまな体調不良に見舞われます。そこから「なんかダルい」「やる気が出ない……」といった精神的な不調につながることも。いわゆる「夏バテ」ですね。東洋医学では、こういうとき「気血(きけつ)の巡りが滞っている」と言います。体が冷えると、「気(き/エネルギー)」と「血(けつ/体液)」がスムーズに流れないから、あちこちに不具合が出ると考えるんです。

 

そんな体の冷えを、誰でも簡単に解消できるように考えたのが、「ペットボトル温灸術」です。

 

体を温めるには、本当はお風呂につかるのが一番いいのですが、患者さんたちは嫌がります。「夏に湯船につかると、暑くてしょうがない」から。

 

その点、ペットボトル温灸術なら、暑くなりすぎることもありません。お湯を入れたペットボトルを、ツボのあたりに当てるだけ。本物のお灸とは違い、広い面で当てるので、位置が正確に分からなくても問題なし。火を使わないから、やけどの心配もほぼありません。この手軽さで、本物のお灸の7 割くらいの効果を得られるんですよ。

 

私がこの温灸術を考え出したのは、自分の子どもにお灸をするためでした。幼い子どもは好奇心いっぱいで動き回るので、火のついたもぐさはちょっと危険。試しに試験管にお湯を入れてチョンチョンとツボに当ててみたところ、夜泣きや腹痛、風邪などがてきめんに治まったんです。これには、私自身ビックリしました。

 

それから、ペットボトルをツボに当てる方法を患者さんにもおすすめするようになりました。治療室に来るときだけでなく、自宅でも施術をしたほうが早く症状が改善しますからね。実際、ペットボトル温灸術を試した方々からは、「症状が治まった」「ぽかぽかした」「よく眠れるようになった」などと、うれしい報告が次々とあがっています。

 

「夏冷え」は、放っておくとどんどん深刻化し、簡単には解消できない頑固な冷え症になってしまいます。そうなる前に、ぜひペットボトル温灸術を試してみてください!

 

■『NHKまる得マガジン 夏冷えにサヨナラ! ペットボトル温灸術』より

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