健康

水の中で歩くと、なぜいいの? 4つのメリット


2016.08.01

イラスト:竹永絵里

プールといえば「泳ぐところ」。でも、ジムなどのプールをのぞいてみると、最近は、泳がずに歩いている人を多く見かけます。「水中ウォーキング」の人気は、近年じわじわと上昇。健康増進やシェイプアップの目的で始める人が非常に増えています。なぜ、わざわざ水の中で歩くのでしょう。それは、水には運動効果を高める4つの利点があるからです。中央大学理工学部教授で水泳部監督の高橋雄介(たかはし・ゆうすけ)さん(※)に詳しく教えてもらいました。

 

*  *  *

 

浮力の効果

 

「ジョギングを始めたらひざや腰を痛めた」という話をよく聞きます。陸上では、常に体に重力がかかっているため、筋力が足りなかったり、姿勢が悪かったりすると、関節に負担がかかります。これが故障の原因です。けれど水中では、水の浮力が働いているため、まるで無重力のような状態に。水がクッションのように体全体を支えてくれるから、関節に負担をかけずに程よい負荷をかけたトレーニングができます。

 

水圧の効果

 

水の中では常に水圧がかかっています。水深1mなら、体表面積1平方メートル当たり約1tもの水圧です。この圧力が全身を走る血管を適度に圧迫し、静脈のポンプ作用をサポート。血液を心臓に送り返しやすくなります。心臓が一度の拍動で送り出す血液量も増えるため、心拍数が少なくて済み、心臓への負担も軽減。陸上より負荷をかけたトレーニングも、水中なら楽にできるのです。血液循環がよくなるので疲労も回復し、リラックス効果も得られます。

 

抵抗の効果

 

プールで歩くと、陸上より進むのが難しいはず。これは水の抵抗によるものです。水の密度は空気の約800 倍。水中では陸上よりはるかに大きな抵抗を受けることになり、同じ運動でも運動量が格段に増大します。速度を上げるほど抵抗は大きくなるので、速く動くほど運動強度はアップ。この法則を利用すれば、「負荷をかけたいときは速く、負荷を緩めたいときはゆっくり歩く」と、自分のペースに合わせて運動強度を自由にアレンジできます。

 

水温の効果

 

公共プールの水温は、28〜30℃くらいが一般的。この水温も、運動効果を上げる鍵となります。人間の体には、もともと体温を一定に保とうとする機能が備わっています。そのため体温より低い温度の水につかると、体は反射的に熱を産み出します。この働きによって、プールに入っただけで代謝が活性化され、より多くのエネルギーを燃焼させることができます。水につかるだけでも、軽い運動をしたような効果があるのです。

 

※高橋雄介さんのお名前の「高」の字は、正しくは「はしごたか」です。

 

■『NHKまる得マガジン 水中ウォーキングで めざせ!“すっきりボディー”』より

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