健康

免疫をもたない大人の間で集団感染が起こっている


2013.04.06

風疹の報告数を表すグラフ。2012年の報告数は例年に比べて大幅に増加し、その約8割が成人であった。

最近、大人の間で「風疹(ふうしん)」の流行が見られる。特に妊娠初期の女性が風疹にかかると、胎児に先天性の障害が起こるおそれがあるという。福岡市立西部療育センター センター長の宮崎千明(みやざき・ちあき)さんに風疹について詳しくうかがった。

 

*  *  *

 

「風疹」は、風疹ウイルスに感染して起こる感染症です。感染した人が咳(せき)やくしゃみをして、ウイルスを含む飛沫(ひまつ)が飛び散り、それをほかの人が鼻や口から吸い込んで感染します(飛沫感染)。

 

多くの場合、ウイルスに感染してから14〜21日間ほどの潜伏期間を経て、発症します。主な症状として、「発疹(ほっしん)」38℃程度の「発熱」、首や耳の後ろの「リンパ節の腫れ」、「目の充血」「軽い咳」などがあげられます。小さく赤い発疹は、最初は顔の周囲に現れ、徐々に全身に広がります。症状の中では、リンパ節の腫れが特徴的といえます。大人の場合は、関節の腫れや痛みを伴うこともあります。

 

これらの症状は、3〜5日間ほどで治まることが多く、一般に「麻疹(ましん)(はしか)」より軽いことから、“三日ばしか”と呼ばれることもありますが、まれに合併症が起こることもあるので、軽視できない病気です。

 

風疹は、子どもがかかる病気と思われがちですが、最近、大人の感染者が増加していることが注目されています。2012年の風疹感染者の報告数は、ここ数年に比べて大幅に増加し、その約8割が成人であることがわかっています。

 

それに伴い、職場などで集団感染が起こる例が多く見られました。感染者の多くが20〜40歳代の男性で、この世代の男性の多くが風疹に対する免疫をもっていないことがわかっています。

 

それには、次のような風疹の予防接種の制度の変遷が関わっています。

 

風疹の集団接種は、1977〜1994年まで、中学生の女子だけを対象に行っていたので、その時期に中学生だった男子のほとんどが予防接種を受けていません。その結果、現在20〜40歳代の男性で、風疹にかかったことのない人は、風疹に対する免疫をもっておらず、風疹に感染しやすいのです。

 

職場などでは、このグループを中心に集団感染が起こっているものと考えられます。

 

■   『NHKきょうの健康』2013年3月号より

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