健康

中耳炎には4つのタイプがある


2013.03.27

耳の構造
イラスト:さとうみなこ

「中耳炎」には大きく4つのタイプがあり、子どもと高齢者に起こりやすい。タイプによっては「髄膜炎」などの重篤な症状をもたらすものがあるという。筑波大学教授の原晃(はら・あきら)さんに説明していただいた。

 

*  *  *

 

「中耳炎」とは、耳の「中耳」と呼ばれる部分に異常が起こる病気で、聞こえが悪くなる原因になります。

 

耳は、外側から「外耳」「中耳」「内耳」に大きく分けられます。音は、外耳から入ってきて鼓膜を振動させ、「耳小骨(じしょうこつ)」を経由して、渦巻き形の「蝸牛(かぎゅう)」に伝わります。音の振動は蝸牛で電気信号に変えられ、「聴神経」を通って脳に伝えられると、音として認識されます。

 

この経路のうち、鼓膜から耳小骨までを中耳といい、そこに何らかの異常が発生するために中耳炎が起こります。

 

一般に、中耳炎は子どもに発症する病気と思われがちですが、高齢者に起こりやすいタイプもあるため注意が必要です。

 

中耳炎は、次の4つのタイプに大きく分けられます。

 

◆滲出性(しんしゅつせい)中耳炎

鼓膜の奥に液体がたまるタイプで、子どもや高齢者に多く見られます。中耳は「耳管」と呼ばれる管によって、鼻の奥に当たる「上咽頭」とつながっています。耳管には、中耳内の圧を調整したり、中耳にたまった分泌物を上咽頭側に排出する機能があります。これらの機能が障害されると、中耳に液体がたまり、滲出性中耳炎が起こります

 

◆急性中耳炎

鼻やのどの細菌やウイルスが、耳管を通って中耳に感染し、炎症を起こします。子どもに起こりやすいタイプで、最も多い症状は耳の痛みです。鼓膜の奥に膿(うみ)がたまるので、聞こえが悪くなったり、耳が詰まった感じがします。さらに膿がたまると、鼓膜が破れて外にもれる「耳だれ」が起こります。小さな子どもの場合は、発熱や頭痛も見られます。

 

◆慢性中耳炎

急性中耳炎が3か月以上続く場合を、慢性中耳炎といいます。鼓膜が破れて孔(あな)が開いているため、しばしば耳だれを繰り返します。鼓膜に孔が開いていることで、聞こえの悪い状態が続きます。

 

◆真珠腫性(しんじゅしゅせい)中耳炎

鼓膜の上皮が中耳に侵入して袋状になり、そこに耳垢(じこう)などがたまって、周りの骨を破壊していきます。耳垢などがたまってできた塊を、「真珠腫」といいます。詳しい原因は不明で、広い意味では慢性中耳炎に含まれます。

 

耳小骨が破壊されることで、聞こえが悪くなります。内耳側に進行して蝸牛が壊されると、難聴がさらに悪化し、平衡感覚を司(つかさど)る「三半規管(さんはんきかん)」が壊されると、めまいが起こります。「顔面神経」が通る骨の管が壊されると「顔面神経麻痺(まひ)」が起こってきます。一方、中耳の上方に進行すると、「髄膜炎」を発症します。重篤な症状をもたらすこともあるので、1日も早い治療が必要です。

 

■『NHKきょうの健康』2013年3月号より

このエントリーをはてなブックマークに追加

  • テキスト定期購読

  • テキストビュー300×56

000067941852019_01_136

別冊NHKきょうの健康 シニアの骨粗しょう症・圧迫骨折を防ぐ!

2019年07月22日発売

定価 1210円 (本体1100円)

000067941842019_01_136

別冊NHKきょうの健康 シニアの逆流性食道炎

2019年06月21日発売

定価 1210円 (本体1100円)

000061992742018_01_136

NHKまる得マガジンMOOK 3秒から始める 腰痛体操&肩こり体操

2018年12月05日発売

定価 935円 (本体850円)