健康

転んだ! ぶつけた! 子どものけがのケース別対処法


2014.11.25

イラスト:matsu(マツモト ナオコ)

子どもが元気に遊んでいる姿は、見ていて楽しいものですね。でも、時に「転んだ」「ぶつけた」「すりむいた」なんてことも。つい慌ててしまいがちですが、適切な対処法を知っていれば、落ち着いて対応できますよ。小児科医の金子光延(かねこ・みつのぶ)さんが、すり傷、切り傷、骨折などを中心に、応急手当ての方法や注意点などについて紹介します。

*  *  *

Q すり傷、切り傷……応急手当ての方法は?

傷の手当ての基本は「清潔」。まずは水道水で傷口についた雑菌や砂などを洗い流しましょう。痛がるのはかわいそうですが、ここでしっかり洗うことがポイント。よく洗ったら水けを拭き取り、出血している場合は清潔なガーゼを傷口に当て、2〜3分間押さえて止血します。浅い傷なら、そのあとガーゼやばんそうこうで保護すればOK。切り傷は傷口が閉じるようにして保護しましょう。消毒薬は傷の治りを悪くすることがあるので、基本的には使いません

2~3日たって傷口が乾いてきたら、治ってきた証拠。2~3日たってもジクジクと汁が出たり、赤く腫れてくる場合は、傷の洗い方が不十分なために細菌感染を起こしている可能性があるので、医療機関で診てもらいましょう。

Q 出血で受診が必要なケースは?

次のような場合は、止血の処置をしてから医療機関を受診しましょう。

●傷が深い、傷口が複雑……よく洗ったつもりでも、細菌が残ってしまう可能性があります。細菌感染を起こすと治りが遅くなり、傷痕が残ることも。

●出血量が多い、傷口が大きく割れている……感染予防や傷痕予防のため、縫合やテーピングが必要です。

●顔にけがをした……軽いけがでも痕が残る心配があります。

●傷口に砂などが残っている……そのままの状態で傷が治ると、色素沈着が起こることがあります。

Q ちょっとした傷は、なめておけば大丈夫?

間違いです。唾液には炎症を抑える成分が微量に含まれているので、腫れがひくことはあるかもしれません。しかし、口の中は雑菌でいっぱい。かえって傷を汚してしまいます。傷をなめたり、唾をつけたりするのは避けましょう。

Q ばんそうこうはいつ取り替える?

ガーゼやばんそうこうは、汚れたら交換するのが基本です。傷口からしみだす体液(滲出〈しんしゅつ〉液)で汚れた場合も取り替えます。滲出液の分泌が少なくなり、取り替える間隔が開いてきたら、順調に治っている証拠ですよ。

Q ぶつけたけがの見極めは?

ぶつけたり転んだりして子どもが痛がっている場合、まずは落ち着かせて、どの程度の痛みなのか確認しましょう。ただ、特に小さい子どもでは、何でも「痛い!」と答えがち。そこで、笑顔で接しながら、例えば好きなおもちゃなどを見せてみます。すぐにニコニコして遊び出したら、痛みはそれほど強くないでしょう。逆に、激しく泣き続け、患部を動かさなかったり、触らせない場合は、かなりの痛みだと考えられます。タオルに包んだ氷のうなどで冷やして様子を見てください。しばらく冷やして動かせるようなら、骨折やひどい捻挫ではないと考えられます。「動かせない、腫れてくる」場合は、骨折などの可能性があるので、患部を添え木などで固定し、冷やしながら外科を受診しましょう。

Q 子どもの骨折はどう治す?

折れた部位や骨のずれ方の程度などによって、ギプスなどで固定する保存療法、手術療法などが選択されます。成長期の骨はくっつきやすいので、子どもの骨折は治りが早いのが特徴。ただ、大きな骨を骨折した場合、骨の成長に影響が出ることもあるので、骨折が治ったあとも、しばらくは経過を見ることが大切です。

Q 引っ張ったら、腕が動かなくなった!

「肘内障(ちゅうないしょう)」という肘関節の亜脱臼(部分的なずれ)で、3歳ぐらいまでの子どもによく見られます。小児科や整形外科の外来で簡単に治り、治療後は普通に生活できます。繰り返す場合もありますが、成長とともに起こさなくなります。肘内障は起こしてから時間がたつと治しにくくなるので、手を動かさないなどの異変に気付いたら、動かなくなった腕を三角巾などで体に固定して、すぐに受診してくださいね。

Q あざができたけど大丈夫?

ぶつけたときにできるあざは、皮膚の下の毛細血管が壊れて出血を起こした「皮下出血」です。触ると痛み、腫れてくることもあります。また皮膚の下を血液が移動して、別の場所にあざができることもあります。

ただし、皮下出血はほうっておいても自然に吸収され、あざは長くても数か月もすれば消えてなくなります。もし、ぶつけていないのにあちこちにあざができる場合は、血液の病気などの可能性があるので、医師に相談してください。

■『NHKきょうの健康』連載「こんなときどうする? 子どもの健康質問箱」2014年10月号より

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