健康

「副反応が怖い」「受け忘れてしまった」…予防接種どうすればいい?


2014.10.23

イラスト:matsu(マツモト ナオコ)

NHKテキスト『きょうの健康』の連載「子どもの健康質問箱」では、小児科医の金子光延(かねこ・みつのぶ)さんが、子どもの病気、けがなどに関する「なぜ?」に答えてくれています。今回のテーマは、「予防接種、どうする?」です。

*    *   *

Q 予防接種はなぜ行うの?

予防接種は、ウイルスや細菌によって引き起こされる病気(感染症)を予防するために、ワクチンを接種することで病気に対する抵抗力(免疫)をつけるものです。ポリオ、麻疹(=ましん、はしか)、破傷風(はしょうふう)、百日咳(ぜき)など、かつて多くの幼い命を奪ってきた恐ろしい病気から子どもたちが守られているのは、予防接種の普及によるものなのです。

Q 予防接種を受ければ病気にかからない?

予防接種で十分な免疫がつけば、基本的にその病気にはかかりません。ただ、免疫のつき方は、予防接種の種類や個人によって異なるので、予防接種をしても病気にかかることが全くないとは言いきれません。それでも、自然感染した場合に比べて症状は軽くて済みます。つまり、たとえ感染しても重症化するのを予防する効果もあるのです。

また、予防接種が大切なのは、自分(の子ども)が重篤な感染症にかからないだけでなく、その病気が周りの人へ広がるのを防ぐ、つまり集団として防ぐことが目指されているからです。ですから、「受けてもかかることがあるなら、受けなくても……」なんて思わないでくださいね。

Q 副反応が怖いのですが

副反応とは、予防接種によって起こる悪い反応のこと。重篤なものでは、後遺症が残ったり、命に関わるケースもありますが、そうした副反応が起こることは非常にまれです。むしろ、予防接種を受けずにその病気に自然感染するほうが、死亡や後遺症のリスクははるかに大きい、という点を理解していただきたいと思います。

軽い副反応としては、発熱や接種部位の腫れなどがあります。ワクチン、つまり異物を体内に入れるので、これは体が異物にきちんと反応している証拠でもあります。時間がたてば自然に治まりますので、「効果が出ている!」と受け取ってもらえればと思います。

Q 定期接種と任意接種?

定期接種は、予防接種法に基づいて行われ、所定の期間に受ければ、接種費用は無料です。一方、任意接種は個人が希望して受けるもので、基本的に自己負担です。「国が決めた定期接種が重要で、任意接種は重要でない」ということはありません。その病気にかかるリスクなどをよく考え、かかりつけ医と相談して接種するかどうか判断することが大切です。

Q いつから、どれから受ける?

予防接種デビューは生後2か月から。小さい子どもがかかると重症になる病気を防ぐものなので、受ける時期は早ければ早いほどよいといえます。生後2か月から受けられるものがあるので、まずはそれから始めましょう。受けられる予防接種は、できればすべて受けるのがお勧めです。受ける順番や時期などのスケジュールは、かかりつけ医に相談しながら決めるとよいでしょう(※)。併せて、各予防接種の必要性についても話を聞ければ安心ですね。
※予防接種の受け方、スケジュールの立て方などについての詳しいことは、以下のサイトに紹介されています。/日本小児科学会国立感染症研究所

Q 同時接種って何?

2種類以上のワクチンを一度の通院で接種することを、「同時接種」といいます。安全性や効果は、単独で接種する場合と同じです。単独で受ける場合、次に別の種類の予防接種ができるまで一定の間隔を空けなければなりませんが、同時接種ならば基本的に一度に何種類でも接種できます。「必要な免疫を早くつけられる」「通院回数を減らせる」「受け忘れを防げる」などのメリットがあります。

Q 受け忘れた場合は?

気付いた時点で早めに受けましょう。複数回接種が必要なもので、前回の接種から大きく間隔が空いてしまった場合でも、規定の回数を受ければ大丈夫。最初から受け直す必要はありません。

Q 接種当日の体調がよくないときは?

体調が少々よくなくても、予防接種の安全性や効果自体に変わりはありません。ただ、接種後に発熱や嘔吐(おうと)が起きた場合、予防接種の副反応なのか、何か別の病気の症状なのか、判断がつかなくなる可能性があります。そのため、発熱、嘔吐、ひどい咳などの症状がある場合は、接種を控えたほうがいいでしょう。判断に迷うときは、接種前に医師に相談してください。

Q 接種後に注意することは?

重い副反応は、接種後30分以内に起こることが多いので、その間は顔色など子どもの様子に注意し、異変があればすぐ医師に伝えましょう。また、注射したところはもまないように。薬の吸収速度が変わって副反応が起こりやすくなるのではないか、と考えられています。接種後30 分たったら、あとは普通に生活して大丈夫。運動も入浴もOKですよ。

■『NHKきょうの健康』連載「こんなときどうする? 子どもの健康質問箱」2014年9月号より

このエントリーをはてなブックマークに追加

  • テキスト定期購読

  • テキストビュー300×56

000067941852019_01_136

別冊NHKきょうの健康 シニアの骨粗しょう症・圧迫骨折を防ぐ!

2019年07月22日発売

定価 1188円 (本体1100円)

000067941842019_01_136

別冊NHKきょうの健康 シニアの逆流性食道炎

2019年06月21日発売

定価 1188円 (本体1100円)

000061992742018_01_136

NHKまる得マガジンMOOK 3秒から始める 腰痛体操&肩こり体操

2018年12月05日発売

定価 918円 (本体850円)