健康

「朝起きたとき勃起しない」は年のせいだけではないかも……男性の更年期障害とは


2014.10.26

イラスト:渡部淳士

「疲れやすい」「勃起力が低下した」などの症状を感じている男性のみなさん、原因は“年のせい”だけではないかもしれません。諦める前に治療してみては? 順天堂大学教授の堀江重郎(ほりえ・しげお)さんに詳しくお聞きしました。

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男性の更年期障害とは

更年期障害は、女性に特有の病気と思われがちですが、実は男性にも起こります。近年では、男性の更年期障害も病気として認識されるようになり、治療で改善することもわかってきました。

男女どちらの更年期障害も性ホルモンの低下が原因ですが、症状の現れる時期や経過には違いがあります。

女性の更年期障害の場合、女性ホルモンの低下が原因で、50歳ごろに迎える閉経を挟んだ約10年間に症状が現れます。ホルモンの低下が落ち着くと症状も治まります。男性の場合は、男性ホルモンの低下が原因ですが、もともと男性ホルモンの量や減り方には個人差が大きいため、更年期障害の症状が現れやすい時期や治まる時期は定まっていません。

男性ホルモンはさまざまな働きがある

男性の更年期障害に深く関わっているのは、精巣(せいそう)でつくられているテストステロンという男性ホルモンです。テストステロンには、男性らしい体つきにする、筋肉や骨の組織を強くする、性機能を正常に保つ、などの働きがあるほか、判断力や理解力といった認知力に影響を与えています。

なお、女性にも男性ホルモンは分泌されており、男性にもまた女性ホルモンが分泌されています。

男性更年期障害の症状

男性ホルモンの分泌量が低下すると、心身にさまざまな症状が現れます。

例えば、60歳代の男性Aさんの場合、定年退職後、何もする気になれず、家にこもりがちになりました。以前は旅行先で写真を撮るのが趣味でしたが、それもする気が起こりません。疲れやすく、体が痛み、性的な衰えも感じています。

このように、体の症状、心の症状、性機能の症状が多岐にわたって現れます。全般的には、元気でハツラツとした様子がなくなります。起床時に勃起しなくなることが初期のサインであることが多いようです。

■年代によっては別の病気のことも

こうした症状があれば必ず男性ホルモンが低下しているかというと、そうではありません。40歳代以下では、男性ホルモンの低下は少なく、多くは「うつ病」などの別の病気が原因です。50~60歳代では、男性ホルモンの低下が原因の場合と、うつ病などの病気が原因の場合との割合が半々です。70歳代以降になると、多くは男性ホルモンの低下が原因です。

■問診や血液検査で調べることができる

更年期障害かどうかを調べるには、問診と血液検査が行われます。問診では、体や心、性機能の症状について尋ねます。うつ症状の有無を確認することもあります。血液検査では、血中のテストステロンの値を調べます。

これらの検査により、症状が強くてテストステロンの分泌量が少ない場合、更年期障害と診断されます。

男性更年期障害の診察は、泌尿器科で行っています。近年では、男性更年期外来やメンズヘルス外来などを設けている医療機関もあります。気になる症状がある場合は、受診して相談しましょう。

■『NHKきょうの健康』2014年9月号より

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