健康

女性は首の痛みが起きやすい? 専門医が解説


2014.10.24

イラスト:クスノキミワ

最近、首に痛みを感じたことがある人はいるでしょうか? その人のライフスタイルや姿勢の違いによって、感じやすい人がいるそうです。自治医科大学教授の竹下克志(たけした・かつし)さんに、首の痛みのメカニズムと痛みをおこしやすい人についてお聞きしました。

*    *   *

首の痛みとは

首の痛みと肩こり
首の痛みとは、整形外科では、首だけでなく、後頭部や肩の辺りまでの広い範囲に生じる痛みを指し、一般に“肩こり”といわれているものも、これに含まれると考えられます。肩こりを訴えて受診する患者さんには、首に関わる筋肉に原因があることが多く、実際は“肩こり”というより“首こり”ともいえる状態です。

■首の痛みと筋肉
首の痛みに関わる筋肉の1つが、首から肩甲骨(けんこうこつ)までの広い範囲を覆っている「僧帽筋(そうぼうきん)」です。ほかに頭と首の付け根から首の後ろ側を支える「後頭下筋群」や、頭部を安定させる「頭半棘筋(とうはんきょくきん)」をはじめ、さまざまな筋肉が首の痛みに関わっています。これらの筋肉は重い頭を常に支えているため、疲労しやすく、疲労が蓄積すると、痛みやこりが生じます。

このように、首の痛みの多くは筋肉の疲労から生じると考えられます。しかし、ほかに、頚椎(けいつい)などの骨・関節の異常、内臓の異常などが原因となることもあれば、がんの転移によって痛みが生じる場合もあります。首の痛みがあったら、まず整形外科、神経内科、脳神経外科などを受診して、背後に病気が隠れていないかどうかを調べることが大切です。

■筋肉の疲労
筋肉は、緊張(収縮)したり弛緩(しかん)したりして、血流を調整しています。リラックスして筋肉が弛緩しているときには、血流がよい状態が保たれ、筋肉にも十分な酸素が供給されます。

ところが、筋肉の緊張が続くと、筋肉が腫れて血管を圧迫し、血流を阻害します。血流量が減少して、筋肉に十分な酸素が供給されないと、乳酸などの疲労物質や痛み物質が生じ、痛みやこり、不快感などを感じるようになります。すると、それらの刺激で、筋肉がさらに緊張するという悪循環に陥ってしまいます。

首の痛みを起こしやすい人

一般に、首の痛みを起こしやすいのは、次のような人とされています。

長い時間悪い姿勢をとっている人
姿勢が悪いと首に負担がかかり、筋肉の疲労から痛みにつながりやすいので、日常生活での姿勢に注意することが大切です。

特に若い年代では、「パソコン作業などデスクワークの時間が長い」ケースがあげられます。パソコン作業などデスクワーク中は、頭が前に出て、前かがみの姿勢になりがちです。年配の人では、「背中が丸くなり、“猫背”になっている」ケースがあげられます。やはり首が前に傾くと、重心をうまく保てず、首の筋肉にかかる負担が増大します。

体の中心軸の延長線上に頭が来るような姿勢をとると、首にかかる負担が軽減されます。

■女性
首の痛みは、男性に比べて女性に多く起こりがちです。特に女性、中でもアジア地域の女性は、“なで肩”であることが多いといわれています。なで肩は、いわば“首が長い”のと同じで、支える首や肩の筋肉に負担がかかることになります。これが、首の痛みが女性に多い原因ではないかと推測されています。

また、女性の場合、月経、妊娠、更年期などが、首の痛みを起こす原因になるともいわれています。はっきりしたことはわかっていませんが、更年期以降の女性については、痛みに敏感になる傾向があり、これが関係している可能性があります。

■目の疲れ、ストレス
目が疲れている人、ストレスを抱えている人も、首の痛みを起こしやすいと考えられます。

目の疲れやストレスがあると、自律神経のうち交感神経が興奮した状態になり、筋肉が緊張して血流が悪くなることで、乳酸などの疲労物質や痛み物質がたまり、首の痛みにつながります。

■『NHKきょうの健康』2014年9月号より

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