健康

見逃すな! 危ない不整脈


2014.10.02

イラスト:秋田綾子

心臓の拍動のリズムが乱れるのが「不整脈」です。なかには、命に関わる危険なタイプもあるので、注意が必要です。弘前大学大学院 教授の奥村 謙(おくむら・けん)さんに、不整脈のタイプと危険度について教えていただきました。

*  *  *

不整脈

心臓は、血液を送り出すポンプの役割をしています。心臓の内部は、「右心房」「右心室」「左心房」「左心室」という4つの部屋に分かれています。全身から心臓に戻ってきた血液は、右心房に入ります。次に右心室に入り肺に送られます。肺で酸素を含んで戻ってきた血液は、左心房に入ります。そして、左心室に入り、全身に送り出されます。

心臓がポンプの役割を果たすためには、心房と心室が、拡張して血液をためる、収縮して血液を押し出す、ということを順序よく行わなければなりません。そのため正常な心臓は、心房と心室が一定のリズムで拡張と収縮を繰り返します。そのリズムが乱れ、心臓の拍動が速くなったり、遅くなったりするのが不整脈です。気付く場合もあります。一般的な脈拍の目安は1分間に60〜100回ですから、それより速すぎたり、遅すぎる、脈が飛ぶように感じるなどの場合は、不整脈の可能性もあります。

誰でも運動をしたり、緊張すると心臓がドキドキしますが、これは正常な反応です。一方、運動や緊張などとは関係なく動悸(どうき)を感じたり、脈が遅くなる場合は、不整脈の可能性があります。また、息切れ、だるさ、むくみ、めまい、失神などが起こることもありますが、自覚症状がなくても、危ない不整脈が隠れている場合があるので安心はできません。

危険な不整脈とは

不整脈は、「心電図」を調べることで確認できます。心電図は、心臓が拍動するときの心臓の筋肉の電気的な変化を、波の形にして描き出したものです。

正常な場合は、同じ波形が等間隔で現れますが、不整脈があると波形や間隔に異常が見られます。不整脈には、脈が速くなるタイプと遅くなるタイプがありますが、代表的なのは次の3つです。

■脈が速くなる「心房細動」
心房が1分間に何百回も異常に速く収縮します。その影響で、心室の収縮もかなり速くなります。心電図上では、大きな波の出る間隔が乱れて、その間に小さく細かい波がたくさん現れます。

心房細動では、心房が痙攣(けいれん)したような状態になるので、心室へうまく血液を送り出せなくなります。そのため、心房内の血液がよどんで、「血栓」ができやすくなります。特に、左心房にできた血栓が剝がれ、血流によって脳の血管に運ばれて詰まると、脳梗塞を引き起こします。

■心臓が停止する「心室細動」
心室が痙攣したような状態になり、1分間に何百回と異常に速く収縮します。心電図は、波が原形をとどめないほど大きく乱れます。心室細動では、心室から全身へ血液を全く送り出せなくなります。心臓が止まったのと同じ状態になるので、数秒間で気を失い、数分間で脳が重いダメージを受け、死に至ります。

■脈が遅くなる「徐脈」
脈が遅くなることを、「徐脈」といいます。徐脈の場合は、心電図の波の間隔が長くなります。波が途絶えることもありますが、これは心臓が一時的に止まっている状態(心停止)を表しています。

徐脈の場合、直ちに命に関わることは少ないのですが、脈拍が通常の1/3〜1/2に減るため、脳へ届く血液が少なくなって意識を失う場合があります。

■『NHKきょうの健康』2014年8月号より

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