健康

夏の暑さを上手に乗り切る方法——子どもの体調管理


2014.08.26

イラスト:matsu(マツモト ナオコ)

夏、海や山で子どもと思いっきり遊ぶのは楽しいですね。でも、「暑さで子どもが体調を崩したらどうしよう」という心配の声もよく耳にします。夏休みも後半に入りましたが、今回は夏の暑さを上手に乗り切る方法を、小児科医の金子光延(かねこ・みつのぶ)さんが紹介します。残りの夏も、暑さに負けずに存分に楽しんでくださいね。

*  *  *

Q 「熱中症」ってどんなもの?

熱中症とは、暑さのために起こる身体の障害の総称です。暑さによって汗を大量にかいて脱水を起こすと、体内の水分、塩分などのミネラルのバランスが崩れてさまざまな症状が現れます。軽症の場合、だるさ、吐き気、軽い失神、手足のけいれんなど。重症になると、脳が影響を受けて体温調節ができなくなり、体温が上昇する、意識がなくなる、などの症状が現れます。なお、「熱はあっても意識ははっきりしている」場合、熱中症ではなく、夏かぜによる発熱が考えられます。

Q どうやって気付く?

夏の炎天下であっても、それまで元気に遊んでいる子どもが、重い熱中症をいきなり起こすことはまずありません。大切なのは、軽度の熱中症を見逃さないこと。「元気がなくなった」「気分が悪い」などの様子が見られたら、熱中症を起こしかけている可能性を考えましょう。

Q 熱中症を起こしたら?

熱中症の治療では、安静、冷却、水分補給が大切です。少しでも熱中症が疑われたら、すぐに風通しのよい日陰や冷房の効いた室内などに移して横にし、たっぷり水分をとらせます(※)。ミネラルも必要なので、水やお茶よりイオン飲料のほうがよいでしょう。塩辛いものも効果的。自分で飲食物がとれるようなら、そのまま安静にして様子を見ていて問題ありません。

高熱や意識障害を伴い、口から水分をとれない場合は緊急事態。大至急、救急車を呼んで医療機関に運んでください。

※体が熱い場合は、「ぬれタオルで体を拭く」「うちわであおぐ」「冷たいタオルを首筋やわきの下などに当てる」などして、体を冷やしてあげましょう。

Q 熱中症を予防するには?

基本は水分と塩分補給。水筒などを携帯し、こまめに水分と塩分をとらせましょう。また、寝不足、疲労などは熱中症を起こすリスクを高めます。十分な睡眠をとるなど、規則正しい生活を送ることが大切です。屋外で活動するときはできるだけ日陰を選び、長時間過ごすのは避けましょう。遊ぶときは帽子をかぶらせ、適度に休憩させることも大切です。

また、学校のクラブ活動などで運動をする場合も、熱中症対策は必須です。屋外、屋内にかかわらず、十分に休憩をとりながら、こまめに水分、塩分の補給を行いましょう。

Q 「夏バテ」って何?

長く続く暑さによって、食欲がない、元気がない、など何となく体がだるく感じる状態を、一般に“夏バテ”といいます。暑さで疲れがたまると、睡眠不足や食欲不振に陥りやすくなります。加えて、水分やミネラルの不足などが重なると、これらが互いに作用し合って体調を崩し、夏バテを起こすと考えられます。

Q 夏バテへの対策は?

「夏バテかな」と思ったら、まずはしっかり睡眠をとらせて、体を休ませることが一番です。食事については、水分ばかりとっていたり、食欲がないからと、(そうめんなど)さっぱりして食べやすいものばかり食べていたりすると、栄養が偏って消化する力も落ちてしまいます。栄養バランスのとれた食事を1日3食きちんととることが大切です。

また、暑さ対策に冷房は有効ですが、体が冷え過ぎると、かえって疲れの原因になります。軽く汗をかくぐらいの環境のほうが体にはいいのです。冷房は上手に使いましょう。

Q 暑さに強くなるには?

熱中症や夏バテにならないためには、暑さに強い体をつくることが何よりも有効です。そのために大切なのが、暑いときにしっかりと汗をかくこと。汗をかくことで体温の上昇を防ぎ、暑さに順応できるのです。だから、一日中冷房の効いた部屋にいて汗をかかないのは、実は体にとってよくないことなんですよ。暑い日中は避けつつ、朝夕など比較的涼しい時間帯には外に出て軽く汗をかき、体を暑さに慣らしていきます。もちろん、汗をかいた分の水分や塩分の補給、そしてバランスのよい食事も欠かせません。乳児なら、イオン飲料でなくても母乳やミルクをきちんととればよいでしょう。

■『NHKきょうの健康』2014年8月号 連載「こんなときどうする? 子どもの健康質問箱」より

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