健康

なぜ起こる? 対策は? 子どもの「おねしょ」にまつわる疑問をすっきり解決


2014.07.05

イラスト:matsu(マツモト ナオコ)

『NHK きょうの健康』で好評連載中の「子どもの健康質問箱」。今回のテーマは「おねしょ」です。キャンプや修学旅行などに安心して参加できるように、おねしょの原因や、家庭で取り組める対策などについて、小児科医の金子光延(かねこ・みつのぶ)さんが詳しくお答えします。

Q おねしょはなぜ起こる?

睡眠中は、尿量を少なくする「抗利尿ホルモン」が脳から分泌されるため、尿はたくさんはたまりません。また、尿をためる膀胱(ぼうこう)は成長とともに大きくなります。でも成長には個人差があり、抗利尿ホルモンを作る力が未熟だったり、膀胱が大きくなっていなかったりすると、おねしょが起こるのです。原因によって、「抗利尿ホルモンの分泌が少ないタイプ」「膀胱が小さいタイプ」「その両方が見られるタイプ(混合タイプ)」の3つに分けられます。

Q おねしょは自然に治る?

ほとんどのおねしょは、年齢が上がるにつれて自然になくなります。とはいえ、一般に、小学校低学年で10〜15%、高学年で約5%の子どもにおねしょが見られるといわれているので、そんなに焦る必要はありません。ただし、なかには抗利尿ホルモンを作れない病気が隠れていたり、日中ももらしてしまう場合は、膀胱の働きなどに問題があるケースもあります。また、小学校では宿泊行事などもあるため、本人も気にするようになります。6歳を過ぎても続く場合は、一度小児科に相談してみるとよいでしょう。

Q 家庭でできるおねしょ対策は?

●規則正しい睡眠……抗利尿ホルモンの分泌には、深く長い睡眠が必要です。夜更かしをせず、規則正しい睡眠を習慣にしましょう。

●適度な水分摂取……夕方以降は水分を摂取し過ぎないようにします。また、スナック菓子や塩辛い食事はのどが渇きやすくなるので気をつけましょう。もちろん寝る直前には必ずおしっこをさせてくださいね。

●膀胱を大きくするトレーニング……幼児期は、おもらしをしないようにこまめにトイレに行かせがちですが、そのために膀胱が十分に大きくなっていないことがあります。小学生になると平日はおしっこを我慢する機会が多くなりますが、休日にも日中は我慢する練習をさせるとよいでしょう。トイレに行きたくなったときに、「もうちょっと我慢できる?」と、軽く促す程度でOKです。
膀胱の大きさは、我慢した後の尿量が目安。小学1年生で150mL、3年生で200mL、4年生以上で250mL程度ためられると理想的です。

●始めるなら夏が最適…… 体が冷えると尿量が増えるので、冬におねしょ対策を始めてもうまくいかないことが少なくありません。取り組むなら夏がお勧め。成功回数が多くなれば、子どもも親も自信がついてきます。ただ、子どもには決してプレッシャーをかけないようにしてくださいね。

●体を冷やさない……冬は寝る前に入浴したり、寝具を温めたりして、体が冷えないようにしましょう。

Q おねしょの治療とは?

何らかの治療が必要と判断される場合、まず規則正しい睡眠習慣、適切な水分摂取、膀胱のトレーニングなどの生活指導が行われます。その効果を見ながら、必要に応じて薬による治療が検討されます。タイプに合わせて、抗利尿ホルモン剤(※)や抗コリン剤(膀胱の働きを整える薬)などが使われますが、正しく使えば大きな副作用はありません。

※就寝中の尿量を少なくする抗利尿ホルモン剤は、宿泊旅行に行く時などに、一時的に用いることも可能です。使用に際しては注意が必要なので、医師とよく相談してください。

Q 一度は収まったおねしょが再発。どうすればいい?

時々見られる程度なら、気にする必要はありません。もし、再び習慣的におねしょが見られるようになった場合は、何らかの病気の可能性があるので、医師に相談しましょう。

Q おむつは使わないほうがいい?

おむつを使うことでおねしょが長引くことはありません。子どもが安心して気持ちよく眠れることが大切です。親の洗濯の負担も減りますから、子どもが嫌がらなければ使ってよいと思います。

Q おねしょとうまくつきあうには?

子どもを夜中に起こしてトイレに行かせるのは避けましょう。睡眠のリズムが崩れて抗利尿ホルモンを作る力の発達が悪くなるので、長い目で見るとおねしょの改善には役立ちません。また、おねしょは生理現象ですから、怒ってもなくなりません。子どもの劣等感を強くするだけですから、叱らないであげてくださいね。おねしょは成長と関係しているので、生活習慣の改善効果が現れるのは、数か月から数年先のこと。焦りは禁物です。おねしょとうまくつきあうには、「起こさず・怒らず・焦らず」が大切ですよ。

■『NHKきょうの健康』2014年7月号 連載「こんなときどうする? 子どもの健康質問箱」より

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